ヘルスケア研究部ニュース&トピックス

2011年04月12日

介護職員によるたんの吸引等の試行事業の研修のあり方に関する調査研究報告

平成22年度の厚生労働省老人保健事業推進費等補助事業として、弊社が実施した「介護職員によるたんの吸引等の試行事業の研修のあり方に関する調査研究事業」について、概要をご報告するとともに、報告書を公開します。
報告書のダウンロードは、最下部のリンクをクリックしてください。

調査研究名「介護職員によるたんの吸引等の試行事業の研修のあり方に関する調査研究事業」

(平成22年度 老人保健事業推進費等補助金 老人保健健康増進事業)

【概要】

本調査研究では、「介護職員によるたんの吸引等の試行事業(不特定多数の者対象)」(以下、「試行事業」と記す。)の進捗に合わせて、試行事業の運営支援を行うとともに、研修用講義テキストの作成・編集、指導者講習の開催、試行事業の実施・進捗状況の把握と記録、試行事業における介護職員の実施ケアの評価データの収集・分析、参加関係者へのアンケート調査の実施・分析を行うとともに、委員会を設置して、試行事業において次ステップに進むための判定基準の検討と個々の参加介護職員の進行判定を行った。

【事業の結果及び評価】

試行事業は平成23年度5月末頃を終了予定しており、不特定多数の者を対象に実施される「試行事業」に進捗に合わせて、実施している本調査研究も同様に活動期間の途中にある。従って、今回の報告書は「中間報告書」となる。

1.指導者講習アンケート結果から
〔事前送付テキスト・資料の評価〕〔講習の受講評価〕〔講習の役立ち度〕については、いずれも5~8割と高く、参加者(講師・指導看護師)の評価は概ね良好であった。

2.基本研修アンケート結果から
〔44講義の難易度〕介護職員は全講義で「理解できる」と評価。一方、指導者は講義ごとの評価に大きな差有り。〔テキストの分かり易さ〕介護職員は全講義を「分かり易い」と評価。指導者は講義ごとに差が有り、3講義で「分かりにくい」が3割超。〔44講義の講義時間の適切さ〕介護職員は多くの講義で「適切」、8講義で「長い」が5割超。指導者は13講義で「長い」が5割超。〔教え方の分かり易さ〕介護職員は全講義で「分かり易い」と評価。〔44講義の総合評価〕介護職員は全講義で8割強~9割強が肯定評価。〔「指導者講習」の役立ち度〕指導者の「役立った」は1割弱~4割強で、10講義で「役立たなかった」が5割超と厳しい評価。〔44講義の必要性〕指導者の「必要」は全講義で6割強~10割と高く、25講義では100%必要と回答。一方、2講義は「不要」が3割超と再考を要する結果。

3.実地研修アンケート結果から
〔演習所定回数の適切さ〕介護職員・指導者ともに所定回数は概ね適切と回答。

4.評価①(基本研修の評価)の結果から
〔筆記試験正答率〕平均正答率96.1%。〔ケア実施状況〕参加介護職員全員が全演習を終了。〔指導者評価の傾向〕ケア実施回数の多少は、ケアの種類よりも、演習を行った順番、講師人数・シミュレーター台数・演習時間等の制約等の影響で変化。筆記試験と演習評価結果に相関は認められず。〔次ステップへの進行判定〕委員会での進行判定の結果、介護職員全員が実地研修へと進行。

5.評価②(実地研修の評価)の結果から
〔ケア実施状況〕全体にケア実施対象者の確保が難しく、所定回数終了者は参加者の約23%~約75%に留まった(ケアの種類により差有り)。〔指導者評価の傾向〕ケア実施回と累積成功回数は概ね正比例の関係が見られ、実施回数が増えるほど成功率も高くなる。評価指標として「累積成功率」と「連続3回成功者比率」でケア技術の習熟状況を評価。〔次ステップへの進行判定〕習熟状況データを踏まえ、委員会でケアの種類ごとの判定を行い、ケアの試行への進行可否を決定した。

【今後の課題、展開】

平成23年4月以降の実施予定として、以下の3点を予定している。

1.実地研修の評価票・アンケート等の継続分析
評価票、実地研修アンケート、ヒヤリハット・アクシデント報告については、今後、データ入力・集計を進め、基本研修(筆記試験・演習)評価結果との相関、回数ごとの習熟達成度の推移、ケアの種類別でのヒヤリハットの発生要因・発生状況などの分析を行う。

2.ケアの試行におけるケア実施状況・ヒヤリハット発生状況の分析
ケアの試行の事業記録紙(3種類)と参加関係者対象のアンケート調査などの結果から、ケア実施状況と基本研修、並びに実地研修評価結果との相関評価、安心・安全なケア提供を実施するための仕組みや方策の具体的な有効方策のとりまとめを行う。

3.介護職員研修の評価方法等のとりまとめ
試行事業全工程を振り返り、アンケート調査・ヒアリング調査等の実施により、改めて介護職員研修の内容・方法、ケア技術習得の評価方法について、課題・問題点を整理し、改善提案のとりまとめを行う。

【報告書】

平成22年度報告書


その他の厚生労働省関連の実績はこちら

TOP:ニュース&トピックス一覧

JMAR調査レポート