ヘルスケア研究部ニュース&トピックス

2011年04月12日

特別養護老人ホームにおけるたんの吸引等実施上のヒヤリハット等の評価に関する調査研究

平成22年度の厚生労働省老人保健事業推進費等補助事業として、弊社が実施しました事業について、概要をご報告しますとともに報告書等を公開いたします。
最下部のリンクをクリックしてください。報告書等のダウンロードができます。

調査研究名「特別養護老人ホームにおけるたんの吸引等実施上のヒヤリハット等の評価に関する調査研究」

(平成22年度 老人保健事業推進費等補助金)

【概要】

昨年度の「特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関するモデル事業」では、ヒヤリハット等の発生報告が十分には行われ なかったと推測されています。このことから、本調査研究では報告様式の改訂、ヒヤリハット等のレベルを判断する分類内容の提示、実施ガイドラインに対する 介護職員の関わる部分でのチェック項目の付加などを行い、発生するヒヤリハット等を把握し報告することを促す対策を施して、改めてヒヤリハット等及びアク シデントの発生の実態把握を行いました。
併せて、ヒヤリハット等及びアクシデントに対するより具体的な活動や対応の状況を把握するため、発生したヒヤリハット等の報告があった施設を中心にヒヤリ ング調査を行い、同時に、発生報告がなかった施設に対してもアンケートを行って、発生に影響のある要因の実態を探りました。

報告があったヒヤリハット等及びアクシデントのデータを分析したところでは、口腔内吸引、胃ろうによる経管栄養ともに「手技のミス」がもっとも多いのです が、これ以外に多いものとして「体調や状態の観察不足」や「機器・備品の準備や片付け」でのヒヤリハット等が多くなっていることが分かりました。また、口 腔内吸引では「口腔内の観察」「吸引時間」でのヒヤリハット等が多く、胃ろうによる経管栄養では「チューブ状態」や「注入中の観察」などでヒヤリハット等 が発生していることも分かりました。
ヒヤリング調査や報告がなかった施設へのアンケート結果からは、「以前から緊急時対応などでケアを行ってきた」ため介護職員も習熟しており、ヒヤリハット 等の発生が抑えられていると判断している現状がありました。しかし、看護職員が介護職員に対して密度の濃い指導やチェックができていなかったり、データ分 析からはベテランの介護職員もケアの手順を飛ばして実施しているなどの様子も明らかになっているように、経験がかえってケアを疎かにしてしまっている可能 性があることがうかがえました。また、安全性に関わる専門の委員会などの設置も少なく、体制整備も緒に就いたばかりという状態です。

ヒヤリハット等及びアクシデントの実態を適切に把握し、それをケアの質の向上に活かしていくことは非常に重要な活動です。その第一歩は施設長や上長、指導 看護師がヒヤリハット等に対する積極的な取り組みを促す方針の説明と指導を行う、あるいは理解しやすい研修を実施するなどのさまざまな工夫によって、報告 しやすい環境づくりや観察力を高める活動を展開することなどです。そして、ヒヤリハット等及びアクシデントのデータ分析結果などを踏まえて、これまで以上 にケアの質を高めることが求められます。

本報告書は、別にとりまとめた実施ガイドライン等と併せて、「ヒヤリハット等及びアクシデントに“よく気づき、よく報告する”体制づくり」と「現場での活用」により、より安心、安全な施設づくりとケアの実践につながることを目指してとりまとめました。

【報告書及び参考資料】

報告書
参考資料
実施ガイドライン等


その他の厚生労働省関連の実績はこちら

TOP:ニュース&トピックス一覧

JMAR調査レポート