ヘルスケア研究部ニュース&トピックス

2013年04月10日

利用者の状態像に応じた介護職における技術評価のレベル分類に関する調査研究事業報告

 平成24年度の厚生労働省老人保健事業推進費等補助事業として、弊社が実施した「利用者の状態像に応じた介護職における技術評価のレベル分類に関する調査研究事業」について、概要をご報告するとともに、報告書を公開します。
 報告書のダウンロードは、最下部のリンクをクリックしてください。

調査研究名「利用者の状態像に応じた介護職における技術評価のレベル分類に関する調査研究事業」

(平成24年度 老人保健事業推進費等補助金 老人保健健康増進事業)

【目的】

本調査研究事業は、平成23年度「介護人材分野におけるキャリア段位制度の評価基準に係る実証事業」のデータを基礎とした詳細な分析により、利用者の状態像等によって評価に差異が生じていないか検証を行うとともに、分析結果から抽出された課題を、アセッサー講習の充実によって補うことで、アセッサーがより適切に評価できるようにすることを目的としている。

【概要】

本調査研究事業は大きく2つのフェーズに分かれており、1つは実証事業のデータを基礎とした詳細な分析により、利用者の状態像等によって評価に差異が生じないか検証を行うこと、1つは実証事業の結果を踏まえたアセッサー講習のあり方の検討である。
なお「実証事業の結果を踏まえたアセッサー講習のあり方の検討」で検討した作成物については、内閣府の介護プロフェッショナル キャリア段位制度の実施機関が平成24年度に実施したアセッサー講習において利活用されている。

【評価と課題】

(1)実証事業のデータを基礎とした詳細分析から
利用者の状態像別通過率の分析から、「介護が難しい利用者」に対する介護技術の通過率は低くなる傾向が示された。具体的には「医療職への確認」、ADL状態に応じた「杖歩行」や「立ち上がり」、「体位変換」といった専門性を有する介護技術で、また「排泄介助」にかかわる技術や「自立支援への配慮」にかかわる技術も含まれている。専門性を有する介護や目的性をもった介護においては、利用者の状態に応じ差異が生じやすいということに留意が必要であるとともに、今日的な介護の在り方への理解を深めることが必要である。
検者間信頼性の分析から、評価が不一致となる要因は「アセッサーの評価の習熟度」「被評価者や利用者の属性」「介護技術そのものの性質」によることが明らかとなった。評価の信頼性を高めるには、予め定められた判定基準に従って、同一の評価ができるアセッサーの養成が喫緊の課題となる。

(2)アセッサー講習のあり方の検討から
介護プロフェッショナル キャリア段位制度は、何ができているか/できていないかということを、技術面において客観的に評価できるツールとして有効であり、今後も、データの分析や現場の声を参考にしながらより充実させていくことが望ましい。たとえば近接する領域として介護保険制度において実施されている要介護認定における認定調査員の研修や看護師による日々の患者評価が診療報酬上の要件となっている看護必要度研修のように、多くの人に同一の判定基準を正確に伝えることができる評価者訓練システムを構築することが必要と思われる。

【今後に向けて】

「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」に対する信頼を高めるためには、アセッサーがより適切に評価できるよう評価者訓練システムを構築することが必要となる。
「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」に対する信頼が高まれば、より多くの事業所・施設が「キャリア段位」を採用・活用するようになり、介護人材の育成の仕組みが整備されるだけでなく、キャリアアップを図れる魅力のある職場となって労働移動の一助となることを期待したい。

【報告書】

その他の厚生労働省関連の実績はこちら

TOP:ニュース&トピックス一覧

JMAR調査レポート