ヘルスケア研究部ニュース&トピックス

2014年04月10日

認知症者および家族への対応ガイドラインの作成・普及に関する調査研究事業報告

 平成25年度の厚生労働省老人保健事業推進費等補助事業として、弊社が実施した「認知症者および家族への対応ガイドラインの作成・普及に関する調査研究事業」について、概要をご報告するとともに、報告書を公開します。

 報告書のダウンロードは、最下部のリンクをクリックしてください。

調査研究名「認知症者および家族への対応ガイドラインの作成・普及に関する調査研究事業」

(平成25年度 老人保健事業推進費等補助金 老人保健健康増進事業)

【目的】

 平成24年度作成のDVD教材「認知症者および家族への対応-コミュニケーションの大切さ-」、並びに自己チェックシートの普及・活用促進のための活動を展開するとともに、DVD教材の活用研修を開催し、教材効果の検証や研修講師用の指導資料の充実化を図る。

【概要】

 DVD教材セットの配布は、平成25年度一年間で、教材紹介専用Webサイト「認知症DVD」(http://jmar-im.com/healthcare/ninchi)への申込者795団体に1,017セットを、関係者の協力により25団体に1,649セットと、合計で820団体に2,666セットを配布し、全国で約2.3万人を超える方にDVD教材の利用機会を持ってもらうことができた。DVD教材活用研修は、委員・事務局メンバーが企画・運営に直接関与し、講師・司会進行を担当したもので9研修、受講者973名の参加を得た。
 DVD教材の効果検証は、教材セットと同送した教材評価アンケート(配布1,923票、回収:事務局118票、受講者506票)で行い、否定的評価(「非常に悪い」、「悪い」、「まあ悪い」の計)は約2%に対し、肯定的評価(「非常に良い」、「良い」、「まあ良い」の計)は約93%と非常に高い評価を得ることができた。何よりも、前述の教材配布セット数とその利用予定者数により、認知症研修教材として十分な需要と受容性が認められたと言って良いだろう。
 さらに、実際に開催した研修実績をベースに、研修補助教材「教材活用研修の手引き(医師編、スタッフ編)」を作成した。この「手引き」は、DVD教材の映像シーンを題材に問題点や望ましい対応を話し合う演習形式の研修を提案する講師用指導資料であり、演習ワークシート、受講者記入例、講師コメント例、時間配分等を掲載した。この補助教材により、さらにDVD教材の活用拡大や認知症対策に関する意識喚起に繋がることを期待したい。

【評価と課題】

 本DVD教材・自己チェックシートは、全国の教材利用者・研修受講者から高い評価を得ることができた。一方、全国的な状況をみると、まだまだ認知症対策推進のための理解者・協力者は不足しており、その底辺拡大が求められ、その意味からも、本DVD教材の普及・活用促進策の継続が必要である。
教材としての課題は、アンケート結果で要望が高い、異なる設定場面や対象者向けの教材開発と提供が挙げられる。例えば、診療所以外の医療機関(病棟・リハ・往診)、在宅介護・福祉(家族向け、行政・相談機関)など、豊富なバリエーションによる教材提供である。一方、新規の教材開発に限らず、補助教材・資料の充実やDVD教材活用研修の実践例の収集とその情報提供は、DVD教材の利用者・活用検討者にとっては有用な情報であるため、こちらも継続的活動が望まれる。

【今後に向けて】

 研修教材の開発に当たっては、タブレット・スマホなどのモバイル端末の利用を前提としたWeb向け教材コンテンツの開発・提供による効果的な学習方法を考えて行かねばならない。逆に、インターネットやパソコンに疎い層や、もともと認知症への関心の低い層にも、これらの教材や考え方を普及・浸透させるための方策を用意しなければならない。
また、教材開発は、一度完成したら『完了』という考え方では不十分で、社会の変化や技術進化に対応できるよう、継続的な改善・改良の仕組み・体制を予め用意する必要がある。
認知症の研修教材開発や認知症対策の推進においては、医療・介護の両分野の関係者が協力して事に当たるのが理想である。将来的には、両分野で協力できる人材育成や教育・研修の拠点となる組織・施設を設置することも、検討の視野に入れておきたい。

【報告書】

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