ヘルスケア研究部ニュース&トピックス

2015年05月11日

ケアマネジメントの質の評価及びケアマネジメントへの高齢者の積極的な参画に関する調査研究事業報告

平成26年度の厚生労働省老健保険事業推進費等補助事業として、弊社が実施した「ケアマネジメントの質の評価及びケアマネジメントへの高齢者の積極的な参画に関する調査研究事業」について、概要をご報告するとともに報告書を公開します。

調査研究名「ケアマネジメントの質の評価及びケアマネジメントへの高齢者の積極的な参画に関する調査研究事業」

(平成26年度 老人保健事業推進費等補助金 老人保健健康増進事業)

【目的】
 我が国では、介護保険制度下で介護支援専門員が利用者に適切な介護サービスの組み合わせを提供する給付管理を「ケアマネジメント」と呼んでいるが、「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会における議論の中間的な整理」(平成25年1月7日)によると、「ケアマネジメントの質の向上を図っていく基盤として、ケアマネジメントの質を評価する客観的な指標を整えていくことが重要であり、ケアマネジメントプロセスの評価、アウトカムの指標について、より具体的な調査・研究を進めるとともに、その基盤となるデータ収集・集積を継続的に進める必要がある。」と指摘されている。
 弊社では、平成25年度老人保健健康増進等事業「介護支援専門員及びケアマネジメントの質の評価に関する調査研究事業)で介護支援専門員を対象とした大規模な調査を実施したが、その結果、介護サービスを適切に配分する場であり、「臨床的統合」の場であるサービス担当者会議が形骸化しており、ケアマネジメントの質に影響していることが明らかとなった。
 一方、平成26年度の診療報酬改定では医療と介護の連携が重点とされ、介護支援専門員の役割の再考を含めて、医療と介護を横断するケアマネジメント機能を再考し、この機能に基づいて整備すべき体制や各種専門職の係わりについて整理することが喫緊の課題であることが示唆された。
 本事業は、社会保障制度改革において進められる地域包括ケアシステム下におけるケアマネジメント機能について再考を行い、医療と介護の連携におけるケアマネジメントにおいて、限られた保健・医療・福祉に係わる資源を有効に使用するため、介護支援専門員のケアマネジメント機能の向上に資する新たな役割の検討と、高齢者本人の積極的な関わり方をケアマネジメント上でどのように位置づけられるか検討を行った。

【概要】
 本事業では、以下の調査研究に取り組んだ。

(1)ツールの開発 
要介護者に対する切れ目のないケアマネジメントを実現するには、医療・介護の両面を踏まえた情報共有を支援する具体的なツールの開発が必要であることから、在宅生活を支える医療・福祉・介護専門職と入院医療機関の双方向型の地域連携を支援する情報共有ツールの開発と、入院中における介護支援専門員の新たな役割「セルフマネジメント支援」を実現するためのツールの開発(「入院時情報提供表」「入院時情報聞き取り表」「病状・状態セルフチェック表」「健康管理表(入院中)」「セルフマネジメント確認表」「健康管理表(在宅用)」)を行った。

(2)過去調査の詳細分析
急性期から生活維持期にかけての継続的なケアマネジメントおよび多職種連携によるケアマネジメント実施に向けた課題を明らかにするため、平成25年度老人保健健康増進等事業における調査の詳細分析を実施した。

(3)各種調査の実施
要介護者に対する切れ目のないケアマネジメントを実現するため、急性期・回復期・慢性期における介護との連携の方策を検討するためのヒアリングの実施と、介護支援専門員に求められる医学的な知識を把握するための文献調査並びにアンケート調査を実施した。

【評価と課題】
 介護支援専門員は、介護保険制度において適切な介護サービスのマネジメントを行うことにより、要介護状態の改善に資する業務を担うものとして重要な役割を担っているが、現状、ケアマネマネジメント機能を十分に発揮できていないとの指摘がなされている。
 本事業により、現在、その構築が進められている地域包括ケアシステム下における介護支援専門員の新たな役割について検討を行い、「セルフマネジメント支援」の創出とそれを推進するためのツールの開発を行った。
 さらに、地方自治体においてセルフマネジメントを推進するための方法についても検討を行っており、今後は自治体におけるケアマネジメント機能の強化のための「セルフマネジメント支援」の導入に向けた検証が必要である。

【今後に向けて】
 開発したツールを活用した「セルフマネジメント支援」の有用性を検証し、自立支援・介護予防支援に有効な事業を提供するとともに、高齢者においては能動的に学び、健康管理や必要な支援やサービスの選択が自分自身でできるようになるための道筋を示すことが求められる。

【報告書】

【H26-1-15】ケアマネジメント質の評価報告書(PDF)

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