ヘルスケア研究部ニュース&トピックス

2016年04月25日

介護予防・日常生活支援総合事業の効果的な介護予防ケアマネジメントに関する調査研究事業報告

 平成27年度の厚生労働省老人保健健康増進等事業として、弊社が実施した以下の調査研究事業について、概要をご報告するとともに、報告書を公開します。

調査研究名「介護予防・日常生活支援総合事業の効果的な介護予防ケアマネジメントに関する調査研究事業」

(平成27年度 老人保健健康増進等事業)

【目的】
 総合事業の介護予防ケアマネジメント実施において、多様なニーズに対して、対象者の介護予防又は自立した日常生活の支援を踏まえ、対象者自らの選択に基づき、サービスが包括的かつ効率的に実施されるよう専門的な視点から必要な援助を行うことが求められている。この求めに応じて各市町村での実施状況を調査し、また実施事例を取材して、介護予防ケアマネジメントを実施する自治体の参考となるように情報整理をした。

【概要】
 主な実施のフロー以下の通り。

1.総合事業における介護予防ケアマネジメントの現状について仮設を設定し、アンケート調査項目の設計をする。
2.アンケート票(案)の設問及び選択肢を作成し、厚生労働省との検討会を実施。 定量的に把握したい設問項目を追加するなどしてアンケート票に修正を加えている。 自治体関係者の査票のチェックを実施して回答しやすさを考慮して完成させている。
3.Webでアンケートを実施して、Web以外での回収ルートも活用して回収率を高めた。
4.アンケート結果を集計して、分析し、結果をまとめている。
5.アンケート回答自治体から、厚生労働省と協議してヒアリング先を選定(3自治体)
6.ヒアリング先の情報をまとめ、それを活用してヒアリングを実施してとりまとめをした。

【評価と課題】
 今年度始まった総合事業における介護予防ケアマネジメントの状況がいち早く調査で明らかになったことは有意義である。しかし、総合事業に移行した自治体も少なく、かつ移行時期もばらばらだったために下期での調査活動となった。また、同様の理由でヒアリング先も限られてしまった。成果としては、典型例が分ったことである。つまり現状の枠を壊さずに慎重に始める姿勢が多い。それは、委託は要支援者でケアマネジメントAのみという点、そしてケアマネジメントBは、多様なサービスを活用する利用者であるなどのルール化の考え方にも表れている。

【今後に向けて】
 平成27年~28年に総合事業への移行を表明している自治体の内、平成28年1月1日時点で、新しい総合事業に移行している自治体は、およそ4分の1で、人口規模が大きい自治体ほど移行割合が高い。平成28年度または、平成29年度移行する自治体が多いことが分っているが、今後移行する自治体がより効率的にスムーズな実施を可能とするには、今年度の先行自治体の事例が充分に活かされることが重要と思われる。
 また、介護予防ケアマネジメントの実施自治体において、国のチェックリスト等を活用することや業務フローや委託ルール等もどこも類似しているのが現状である。
 そして、各自治体が自ら研修を実施するとともに、国や都道府県からの研修支援も望まれている。これらから言えることは、業務マニュアルや研修による標準化がされて、ケアマネジメントに個人差がない状況が、介護予防ケアマネジメントの第一ステップと言えそうである。
 ただし、多様なニーズに応える多様なサービスも徐々に増えまた進化していくこととなるため、常に情報を更新しつつ介護予防ケアマネジメントは品質を向上させていくことで、事業的な枠組みでも効果を発揮するものとなる。今年総合事業を開始した自治体を含めた全体の構造変化を定量的な経年調査で把握することが重要である。

【報告書】

効果的な介護予防ケアマネジメントに関する調査報告書(PDF 約3MB)

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