【2011年度第6号】伸びる組織のためのJMARマガジン ~大震災による従業員のマインドの変化~

大震災による従業員のマインドの変化

3.11の東日本大震災は、人々の心に大きなダメージを与えました。私たちは、日頃、社員の意識を調査している会社ですから、震災の影響が果たして、どのようにデータに現れてくるのか、非常に関心の高いところでした。

震災後、被災地の復旧・復興やその支援で忙しかった会社が多かったと思います。しかしながら、震災を理由に組織の健康診断を中止にするケースはほとんどなく、この時期、各社の結果がデータとして次々とあがってきています。

では、昨年と比べてデータ上の変化は見られたでしょうか。調査結果の経年変化は、震災などの環境変化が原因であると結論づけるのは困難です。しかしながら、震災の影響で日本経済がますます低迷し、社員の将来不安が増大しているように見受けられます。ある食品メーカーでは、「失敗を恐れない雰囲気」「変革が実感できる」といった会社の風土に関する項目で前回よりも低下し、保守的な風土に逆戻りする傾向が見られました。市場の縮小への不安が増大したことに加えて、震災をきっかけに組織の連携の悪さ・コミュニケーションの不十分さを実感したようです。

「震災時に情報の伝達の悪さを感じた」
「現場に情報が下りてこない」
「意思決定が遅い」
など、震災を経験して社員が感じた不満です。

ある意味、政治に対する不信と似ていますね。その一方で、

「(被災した事務所の)片付けを一緒にして、連帯感が生まれた」
「グループ社や他部門とのコミュニケーションが増えた」

といった、前向きな意見も見られました。今回の大震災には、大きなインパクトがありましたから、社員が会社に不安をもつ
のも、当然かもしれません。しかしながら、このような状況でも、社員のやりがい・達成感が失われていない会社は、「強い会社」ともいえるでしょう。

大震災・リーマンショック・・・大きな環境の変化があっても、ゆるがない会社。そのような会社に共通しているのは、経営トップの社員に対する「安心」を与えるメッセージです。

ある機械メーカーでは、ITバブル崩壊で需要が落ち込み、赤字に転落。そんな時期に「社員満足度調査」の担当者は、「今年はスコアが落ちても仕方ないですね」と悪い結果を予想していました。しかし、業績悪化に対して、経営トップがいち早く前向きなメッセージを社員に発信していたこともあり、スコアが落ち込むことはありませんでした。

社員が安心する経営トップからのメッセージ。
その暗示で社員が奮起し、良い結果が生まれるとしたら、手立てとしては悪くありません。子育てでも部下育成でも、「ポジティブメッセージ」が脳によい刺激を与えるのです。

(馬場 裕子)

ビジョンやミッションの浸透度の測定

近年、ビジョンやミッションの再構築を進める企業が増えています。ビジョンとミッションに共感し、その浸透度合いが高い企業の業績は高いと一般的に言われています。では、肝心の浸透度合いは測ることができるのでしょうか?

皆さん、私たちがどのように測定していると思いますか?「部門の計画には経営ビジョンが活かされているか」「職場のメンバーはその説明を聞いたか」といった「ビジョンに対するアクションの具体化とその達成度」などは測定しやすい定量的な指標となります。

一方、「消費者へのビジョン浸透度」といった社外顧客からの評価などは測定しにくい指標といえますが、ヒアリングやアンケートなどを通じて把握することもできます。

さて、こうして把握した調査の結果から、自社や自部署のビジョンやミッションが認知⇒理解⇒共感⇒行動のいずれのレベルにあるか、役職や職種による違いはあるか、浸透度合いに影響している要因や、役職間にギャップがある場合の原因など、分析を進めていきます。

特にアンケート調査は、従業員規模が大きい場合、また、拠点が分かれている場合、効果的な測定方法といえます。さらに、全社員を対象にすると、組織全体を視覚的に把握することができ、ビジョンやミッションの再構築に資する資料になるでしょう。

(海津 忠宏)

経営層からのメッセージ、ビジョンは伝わっていますか?

弊社では「働きやすく、そして働きがいのある組織」の実現に向けて『従業員満足度調査(ES調査)の実施』の定期的な実施をお勧めしています。

編集後記

馬場のコラムにありましたよう、私たちの職場も繁忙期に入り、メルマガ発刊が少々遅れてしまいました。
初志貫徹。みなさん、応援よろしくお願いします。