【2011年度第5号】それでもコンプライアンスと言うためのJMARマガジン -個人のぼう然、組織の想定外-

不祥事の痛いトコロ -個人のぼう然、組織の想定外-

震災の時、皆さんはどちらで何をしていましたか。職場で、会議中で、外出先で、何を思い、誰のことを考え、ひとまずどう行動したか。克明に覚えているのではないでしょうか。

私は部長と出張先におり、会議中に揺れ始めました。会議は途中解散となりとぼとぼと駅まで歩きました。電話はつながらない、新幹線は動かない、状況が明らかになる中、東北のお客さまのことは考えても、東京で家族が帰宅難民になっているとは思いもしませんでした。

一方部長は冷静にバスはどうか、ホテルは取れるか、職場では何をしているか、着々と思い付いて動いていました。企業の危機対応においても、そんなぼう然とした瞬間がありました。

東海テレビ放送『ぴーかんテレビ検証報告書』では、不適切なテロップが流れた瞬間のスタジオの様子を以下のように振返っています。

「あまりにも不適切なテロップだったこと、ほとんどのスタッフが放送された時、初めて見たものであったため、スタジオやサブのスタッフには何が起きたのかさえ分からず、迅速に対処できなかった面があったことは理解できる。それにしても23秒間は長いといわざるを得ない。放送後10秒くらいで多くのスタッフが異変に気付いていながら、隣のスタッフに確認するでもなく、誰かが大声を上げたわけでもなかった。テレビの制作現場は役割分担がきちんとしており、それぞれがプロ意識を持って遂行するのが一般的で、ほかのパートには口を出しにくい面がある。」(16-17ページ)

東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会『中間報告(概要)』では、電源を喪失した1号機の非常用復水器が、現場の思い込みによって、作動していなかった様子が以下のとおり記述されています。

「1号機については、津波到達後間もなくして全電源を喪失し、フェイルセーフ機能によって、非常用復水器(IC)の隔離弁が全閉又はそれに近い状態になり、ICは機能不全に陥ったと考えられる。しかし、当初、ICは正常に作動しているものと誤認され、適切な現場対処(その指示を含む。)が行われなかった。(中略)他方、発電所対策本部及び本店対策本部は、当直からの報告・相談以外にも、IC が機能不全に陥ったことに気付く機会がしばしばあったのに、これに気付かず、IC が正常に作動しているという認識を変えなかった。」(5ページ)

誰もがぼう然とする瞬間、考えの至らないことはあります。それは責めても始まらない、仕方がない部分です。しかしその集合体である組織が「ぼう然」を「想定外」と言い換えても、責任が消えるわけではありません。

組織が、個々人以上の注意力、迅速さを発揮するのも、容易なことではありません。今年、印象に残った本に、リーダーは問題を解決することよりも発見することが重要な役割、というくだりがありました。

皆さま、今年もお付き合いいただいてありがとうございました。同じ時代、瞬間を生きた同胞として、今年の記憶をとどめていきましょう。

(宮川準)

よんたくんに挑戦 -情報管理編-

※すいませんが今回出題はありません。

「よんたくん」は弊社提供の、短時間で取り組むための「四択(よんたく)」のコンプライアンスeラーニングです。主人公のよんたくんが様々な職場の問題に遭遇します。今回は前回のQ&Aの答え合わせです。

問題

最近のよんたくんの悩みは、「パスワードが覚えきれない」こと。パソコンを使って仕事をしていると、いろいろな場面でIDやパスワードの入力を求められます。忘れてしまうとシステム部に問い合わせて変更してもらったり、せっかく作成した資料を作り直すはめになったりして面倒なので、忘れないようにするにはどうしたらいいか考えてみました。よんたくんが考えたもののうち、安全な方法はどれでしょうか?

正解

D.メモを作り、施錠できる自分専用の引出しにしまっておく

解説

個人情報を含む機密情報の漏えいを防ぐためにも、パスワード管理が重要です。誕生日など推測されやすいものだけでなく、ウイルスによっては機械的にパスワードを生成して侵入するものもあるので、「1234」「aaaa」等規則性のあるものや、一般的な英単語などは避けるべきでしょう。

記憶しておくことが最善の策ですが、どうしても覚えられない場合はメモを作成し、施錠できる専用の引出などで厳重に管理するようにしましょう。

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編集後記

今日は12月27日。もうお休みに入った方も多いのではないでしょうか。もう1日早く出したかったのですが。。。今年はこれが多過ぎました。

皆さま、良いお年を。また来年よろしくお願いいたします。