インタビュー
JMARの考えるエンゲージメントについて【1】(全3回)

企業が「従業員の声を聞き」、組織をより良くする活動は、1990年代に従業員満足度調査〔ES(employee satisfaction)調査〕という形から始まり、今日ではエンゲージメントサーベイという概念に展開してきました。

「なぜ今、従業員満足度調査(エンゲージメントサーベイ)が企業に必要なのか?」
「日本の雇用特性を踏まえて、エンゲージメントをどう考えるべきか?」

本日は、(株)日本能率協会総合研究所の組織・人材戦略部の部長・深代氏と主任研究員・前島氏にお話をおうかがいしたいと思います。


深代 達也

(株)日本能率協会総合研究所 組織・人材戦略研究部 部長

(株)ジーニアル・ライト社外取締役/JMA エンゲージメントマネジメント入門セミナー、チームビルディング入門セミナー 担当講師/元ASTD Japan 組織開発委員会委員/米国NLP協会認定トレーナー/DiSC公認インストラクター/Ocapiプラクティショナー/REMO社HealthRhythmsファシリテーター&HealthRhythms Adolescent Protocolファシリテーター/ビート オブ サクセス “トレーニング・ビート”認定トレーナー/ドラムサークルファシリテーター協会会員

20年以上にわたり組織開発・人材開発の指導・研修等を推進。現在は、従業員エンゲージメント調査・コンプライアンス調査・取引先調査・取締役会実効性評価などのサーベイに立脚した、非財務指標(KPI)の視える化支援、エンプロイーサクセスの視点からのエンゲージメント向上支援などに取り組む。
また企業のイノベーション力に関する研究に従事するとともに、2020年に光センサー関連のベンチャー投資を推進。社外取締役を務めるとともに、ドライバーモニタリングの実証実験など、働く人の安全に貢献する新規事業も推進している。

前島 裕美

(株)日本能率協会総合研究所 組織・人材戦略研究部 主任研究員
約20年にわたり、従業員満足度調査(エンゲージメントサーベイ)、コンプライアンス調査、ダイバーシティ調査など、主に組織風土をテーマとした意識調査の受託に従事。経営倫理士。

インタビュアー

西里 太作

マーケティングサポート株式会社 代表取締役
「関わるすべての人・組織の”よりよい世界”を実現する」をミッションとして掲げ、マーケティング、WEB制作、システム開発、社内インフラまで幅広くサポートしている。
2020年より(株)日本能率協会総合研究所のマーケティング支援に従事。
https://marketing-support.jp/

まず初めに前島さんの経歴をお伺いしたいと思います。今までどういったことを社内で担当されてきたか、お聞かせいただいてもよろしいでしょうか?

前島入社してから約20年、従業員満足度調査(エンゲージメントサーベイ)やコンプライアンス調査を専門に担当しております。

従業員満足度調査(エンゲージメントサーベイ)・コンプライアンス調査ともに、まだ調査項目や分析手法が最適化されておらず、多くの企業で導入していない1990年代の創生期から携わっており、企業の経営課題にあわせて調査項目の検討や分析手法の開発を行ってきました。

また、「経営倫理士」というコンプライアンスに関する資格を取得しており、そこで学んだ内容を基に、企業のコンプライアンスへの取り組み・意識の状況を改善するための調査にも携わっております。

なぜ「従業員の声=従業員経験」を経営に活かすことが必要なのか?

20年前から従業員満足度調査(エンゲージメントサーベイ)に携わっていらっしゃることと思いますが、なぜ今、改めて従業員満足度調査(エンゲージメントサーベイ)が企業に必要とお考えなのか、教えていただいてもよろしいでしょうか?

前島今、ESGなど経営のサステナビリティを高めることが、どの企業も取り組むべき課題となっています。特に、「従業員」は企業にとって極めて重要な経営資源です。企業の成長にとって、従業員がいきいきと活躍できることは、企業成長の前提でもあります。その中で、多くの企業が戦略として従業員満足の向上やエンゲージメントの向上を掲げています。

従業員が働きやすいか、働きがいを感じるか、成長・貢献実感があるか、上司や同僚のサポートはどうか、経営層は方向性を示しているか、環境変化に対応している会社に思えるか、入社前に抱いたイメージ通りの会社なのか、そして、会社に対するエンゲージメントの状態はどうなのか。そういった<従業員が当社の中で働く経験価値=従業員経験>を明確に数値化し、企業のKPIなどに含めることによって、定点観測していくことが企業の課題となっているのです。
また、上記の点を統合報告書などを通じてステークホルダーに開示していくことも、企業に課せられている大きな課題となっています。

そうした中で経営陣が、数字的根拠なしの状態で、「うちの会社は働きがいがある、エンゲージメントが高い」と言っても、それは客観性がありません。働きがいやエンゲージメントの状態について明確に数値化した上で定点観測し、組織の改善・改革に結びつけたいというニーズが高まり、今まさに、従業員満足度調査(エンゲージメントサーベイ)が着目されているのだと思います。

働きがいやエンゲージメントの状態を数値化するメリットとは?

先ほど「数値化するのが大事だ」というお話があったかと思いますが、働きがいなど、従業員の経験を数字化することで、その数字をどのように活用するかとか、活用した後にこういった効果があるということを、もう少し詳しく教えていただければと思います。

前島調査結果は基本的に定量的なものなので、会社経営にとっても、現場の管理者にとっても、分かりやすい指標(KPI)になるという点が、数値化のメリットです。これによって、自社の強み・弱みが何なのかが一目瞭然となります。

弊社の調査ですと、働きがいやエンゲージメントに関係する要素として、「仕事の納得感やキャリア」「業務負荷」「職場の雰囲気」「上司の態度」「人事制度」「会社理念や会社の将来性」「お客様志向」「コンプライアンスへの取り組み」について、従業員がどう感じているかを測って数値化していきます。

さらに弊社では、働きがいやエンゲージメントの高低と関係する従業員経験の要素は何か、という点を分析によって明らかにできるため、働きがいやエンゲージメント向上に向けた対策シナリオが描きやすくなります

活用については大別して2つの側面があります。一つは社内改革・改善のため、もう一つはステークホルダーへの開示のためです。
全社や部署別にも数値が出ますので、そうした結果を部署のマネジメント等の改善に役立てていただき、例えば、「次は何点を目指していこう」とか、KPIとして「何点を会社として目指していこう」と使って頂いている会社が多いです。
最近、人的資本開示がスタートし、ともすると開示に注目がされがちですが、社内改革・改善のためにしっかりと活用することが最も重要です
社内で、従業員経験に関するデータを本当の意味で有効活用することが、結果として開示にも役立つのです。

ありがとうございます。
例えば、弊社が調査を依頼し、結果が予想よりも悪かった場合、御社から改善サポートもしていただけるのですか?

前島まさに、そこが弊社の強みになっております。
例えば、システム構築を強みとしている会社ですと、調査サービスを提供する際に、「あなたの部署は何点でした。会社として何点でした。」という結果の提供で終わるケースが多い、という話を聞いております。

一方、弊社は、その数値をフィードバックするだけではなく、「なぜそういった数字(結果)になってしまったのか」という点を掘り下げて分析するサービスも提供しています。
例えば、「働きがい」が低かった場合には、「なぜ働きがいが低いのか」ということをその他の項目と関連づけて分析し、その原因を探った上で、施策に結び付く意味のある課題を提案いたします。そういった点が、弊社の強みだと思っております。

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