日本M&Aセンター特別インタビュー【3】「伴走型」エンゲージメントサーベイ
データを超えた本質的な組織変革への取り組み!(全6回)


7.浮き彫りになった男女間のエンゲージメント格差も今後の課題として注視

普段、御社内で感じていたことが、今回の調査でうまくデータ化されたという認識でしょうか?

日本M&Aセンターはい。ただ、ある程度の感覚は持っていたものの、実際にデータとして数値で出たとき、「こんなに差があるのか」と驚いた部分もありました。特に男女間の差は顕著でしたね。

男女間の差というのは、職種による違いということでしょうか?

日本M&Aセンターそうですね。単純に職種と性別を分けた分析も必要だと思いますが、男女の性差だけに注目してみると、女性のスコアが低いことは感覚として持っていましたが、ここまで定量的に低く出るとは思っていませんでした。正直、予想以上でした。

他社様では、「性別のデータはもう不要では?」という議論が出ることもありますが、今回に関しては、属性として設定してよかったですね。

日本M&Aセンター設問を作る段階でも、性別の項目を入れるかどうか悩みました。今の時代にそぐわないかもしれないと考えたのですが、実際のところ、まだ女性社員の数が全体の2割ちょっとしかいません。このバランスを考えると、データを取得し、経年でモニタリングすることが必要だと思い、設問を残しました。結果として、正解だったと感じています。
ただ、職種の違いによる影響もあるので、例えば営業職の女性とコーポレート部門の女性とでは、また違った傾向が見えてくると思います。

来年も調査を実施する場合、営業職の女性とコーポレート部門の女性を比較することで、より明確な傾向が見えてきそうですね。

日本M&Aセンターそうですね。働き方や求められる役割が異なるため、一括りにするのは難しい部分があります。

今年は掘り下げようと思えば、いくらでも掘り下げられましたが、まずは全体像を把握することを優先した形ですね。

日本M&Aセンターそうです。人事としては属性ごとのデータも把握していますが、経営層にはまだ細かい部分までは共有していません。今後、経年で変化を見ながら、適切なタイミングで施策を検討していければと思っています。

8.エンゲージメントサーベイで浮かび上がった想定外な結果とは

では、想定外だった点についてお伺いしたいのですが、今回の調査結果の中で特にインパクトがあったことや、新たな気づきはありましたか? 逆に、「やっぱりこの結果になったか」と感じた部分でも構いません。

日本M&Aセンター部署ごとのアラートが出た部分ですね。懸念していた部署が想定通りの結果だったので、納得感はありました。

日本M&Aセンターそうですね。明らかにアラートが出るであろうと予想していた部署は、想定通りレッドゾーンに入っていました。ただ、意外な部署でもレッドが出た点は、新たな発見でしたね。

問題がある部署については、人事としてもある程度は把握していたということですね?

日本M&Aセンターそう思っていましたが、今回のデータを見て、「この切り口で見ると、ここも赤くなるのか」という意外な結果もありました。

他社様でも、長年エンゲージメント調査を続けていると、所属別の結果を見て、「なぜここがこんなに悪いのか」と内部で議論になることがあります。「ここは本部長が変わったからだ」といった背景が後から判明することもあるのですよね。

日本M&Aセンターそうですね。これまでは、部署ごとのデータは法定のストレスチェックくらいでしか取得していませんでした。

つまり、部署別のデータは取ってはいたものの、あまり重視していなかったということですか?

日本M&Aセンターそうです。数値は取っていましたが、特にアラートを示す形ではなかったので、あまり着目していませんでした。これまでは、点数の推移を確認し、昨年との比較をして終わる、という流れでした。

日本M&Aセンターそうです。数値は取っていましたが、特にアラートを示す形ではなかったので、あまり着目していませんでした。これまでは、点数の推移を確認し、昨年との比較をして終わる、という流れでした。

今年は掘り下げようと思えば、いくらでも掘り下げられましたが、まずは全体像を把握することを優先した形ですね。

日本M&Aセンターそうですね。その結果、想定内の組織と想定外の組織が明確に分かれました。一過性の要因なのか、それとも組織の根底に流れる課題なのかは、今後の見極めが必要です。今年は特にトップからのメッセージが強く打ち出され、それが影響を与えた部分もあると思います。そのため、瞬間的なデータに一喜一憂するのではなく、経年での推移を見ていくべきポイントだと考えています。

アラートが出た部署について、何かフィードバックをもらいましたか?

日本M&Aセンター具体的なアクションまではまだありませんが、ハラスメント傾向が見られる部署の方からは、「このような傾向が出るのですね」という反応がありました。データを受け取った直後の率直な感想として挙がってきたものです。
部長層にとっては、今回の結果が自分たちのマネジメントを見直すきっかけになったと思います。

つまり、部署別のデータは取ってはいたものの、あまり重視していなかったということですか?

日本M&Aセンターそうです。数値は取っていましたが、特にアラートを示す形ではなかったので、あまり着目していませんでした。これまでは、点数の推移を確認し、昨年との比較をして終わる、という流れでした。

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