事例紹介:JFEスチール株式会社様

当社は、「常に世界最高の技術をもって社会に貢献します。」という企業理念のもと、お客様や社会のニーズに応える鉄鋼製品をグローバルに提供している鉄鋼メーカー(高炉メーカー)です。

社員満足度調査(ES調査:エンゲージメントサーベイ)を始められた経緯や目的をお聞かせください。

今日の日本の大手企業では、WEBを使った社員満足度調査を行い、会社の経営や人事施策につなげることが一般的になりつつあります。 当社は、3年に1回「企業倫理に関する意識調査」を紙面で実施し、コンプライアンスや社員のエンゲージメントに関する意識を測っていました。今回、タイムリーに社員の意識の変化を捉え、より働きやすい会社・職場づくりを目指すために、WEBによる社員満足度調査(エンゲージメント・サーベイ)を実施することとしました。

社員の会社への愛着や、会社の働きやすさがどう変化しているかを捉え、会社全体の経営や人事施策に活用することを目的としており、特に、2017年度より「ワークスタイル変革」を会社の施策として推し進めていますので、サーベイの結果を踏まえて、より柔軟で働きやすい「ワークスタイル変革」の推進につなげていきたいと考えています。

調査の委託先として当社を選んでいただいた要因をお聞かせください。

委託先の選定にあたっては、日本能率協会総合研究所(以下JMAR)を含めて、4社ほど比較検討しました。JMAR以外の委託先候補は、調査設計からアウトプットまでの「パッケージ」によるサービス対応でしたが、JMARは当社のオリジナル仕様にも柔軟に対応いただける点が大きかったと思います。

また、各部へのフィードバックはどのような方法が適切なのかがわからず、統計学的な見地での分析のノウハウが社内になく、困っていました。JMARのHPを見ると、掲載されていた多数の大企業のES調査(従業員満足度調査)をコンサルティングされ、分析やフィードバックについて専門性を保有されていることが確認でき、JMARへの委託を決めました。

調査実施にあたり、苦労した点があればお聞かせください。

1つめは、設問内容と設問数です。設問内容を何にするのか、社員の答えやすさとの兼ね合いの中で設問数をどの程度の数にするのかについて、他社で実施されているサーベイの設問内容や設問数を参考にしながら、社内で様々な議論をしました。当社事務局にて検討を進め、過去から実施してきている「企業倫理等に関する意識調査」、他社へのヒアリングなども参考にしながら、各部署との調整を図り、設計を行いました。

もう1つは、初めてWEB形式でのアンケートを実施した点です。全社員を対象としたWEBアンケートはあまり事例が無かったこともあり、社内周知やアンケート回答ツール(携帯電話、PC)の説明に苦労しました。特に工場などの現業系の方に対しては、WEB実施による混乱を懸念しておりましたが、丁寧な説明を通して、理解を得ることができました。

各職場への周知とリマインドは、メールや紙文書による回覧を通じておこないました。これらの取り組みにより、回答率は、「企業倫理等に関する意識調査」と同水準まで達することができました。迅速な各部署へのフィードバックの実現という観点から、後工程に時間がかかる紙調査票ではなくWEBアンケートシステムを活用するメリットはあったと思います。

調査を実施したことで、得られた気づきや効果などをお聞かせください。

社員のエンゲージメントについて、集約データを様々な切り口で分析したところ、社員の属性(年代・部門)によって様々な特徴がありました。また各設問の肯定回答の割合を分析する中で、社員が「会社の何に魅力や愛着を感じているか」「仕事のどこにやりがいを感じているか」を確認することができ、非常に良い気づきが得られました。

また、福利厚生については、JMARの他社データと比べても当社が高い結果が出るなど、調査実施により気づかされる結果もありました。その他では、今回調査で初めて社員に確認した「ワークスタイル変革」については、社員から当施策の中身についての質問が多く寄せられ、今後の啓発につなげていければという所感を得ることができました。

具体的な分析については、今後、さらに検討を進める部分もありますが、職場ごとに様々な指標と紐づけた分析を行っていければと考えております。

今後、調査をどのように展開、発展させていきたいかをお聞かせください。

本調査は今後、毎年実施する予定です。全体の結果については、事務局で分析し、社内各部門と連携しながら、ワークスタイル変革を初めとした全社施策に活用していきます。

また、各部毎の結果については、匿名性を確保した上で、所属長にフィードバックを実施、各部でのマネジメントに活用してもらいます。

本調査は、基本は定点観測なのであまり設問は変えない方向になると思いますが、具体的な施策に関連するものは、施策次第で柔軟に変化させていくことになるでしょう。

この調査結果の活用を通じ、社員のエンゲージメントや働きやすさ向上に資するよう、継続実施していきたいと考えています。

お客様の会社概要
社名 JFEスチール株式会社
設立 2003年4月
資本金 239600百万円(2018年3月末現在)
社員数 単体:15,578名、連結:44,554名(2018年3月末現在)
主な事業内容
  1. 鉄鋼の製造
  2. 鉄鋼の販売

インタビューご回答者:労政人事部人材企画室 主任部員 辻 賢二様。肩書は2019年5月時点。

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