弊社グループにおいては、これまでコンプライアンス意識調査は実施したことはありませんでした。弊社グループのコンプライアンスに関する課題の把握を目的として、今回、初めて実施することといたしました。
弊社コンプライアンス室では、グループ内部通報窓口の運用と各種コンプライアンス施策の推進をおこなっております。近年、内部通報窓口への通報件数が増えており、通報は氷山の一角とも言われていることから、隠れた課題がたくさん埋もれているのではないか、という問題意識を抱えていました。そこでコンプライアンス意識調査により、弊社グループのコンプライアンスに関する課題が「見える化」できるのではないかと考えました。
質問項目の設定から、アンケート画面の設定に至るまで、弊社の要望に迅速かつ最大限ご配慮いただいた対応で、弊社としてもスムーズに調査を実施することができました。また、結果報告会についても中間報告と最終報告と2段階設定いただいたことから、最終報告がより精度の良いものとなったと感じています。最終報告の実施後にも、社内報告向けに必要なデータの抽出にご協力をいただき、他社様ではここまで柔軟にご対応をいただけなかったのではないかと大変感謝しており、JMAR様に依頼をして本当に良かったです。
今回調査を実施した弊社グループの拠点は本社・製造部門合わせ17拠点にのぼるため、全従業員に調査を周知すること、回答しやすい設問にすることを特に意識しました。現場従業員へ調査依頼の実務を担当する各拠点の総務部門に対しては、調査方法や実施のスケジュールなど余裕を持って伝えること、従業員向けの回答依頼案内は誰が見ても分かりやすいこと、を意識し工夫しました。結果として、回答率は90%近くを得ることができました。また、今回は調査の効率を考え、すべてWEBでの回答としましたが、製造現場では十分なPC環境がなく回答しにくいといった課題もありましたので、次回以降、対応を検討していきたいと考えています。
今回の調査結果は経営層にも報告し、弊社グループの課題について経営層もしっかりと認識を持ってもらった上で、各種施策を進めていきたいと考えています。また、調査結果では職場のマネジメントに関する課題も見えてきたため、その点は人事部門と連携しながら、課題に焦点をあてた効果的な教育・研修に活用していきます。
今回調査したことで、顕在化していなかった課題や懸念、認識はしていたものの想定以上に程度/状況が悪かった問題などが浮き彫りになりました。どの課題に優先的にアプローチをすべきかを検討する上で非常に有益な情報を得ることができました。これまでは、どちらかというと発生した事案への対処といったコンプライアンス活動が中心でしたが、この調査結果を活用して、より能動的なコンプライアンス活動の展開が可能になり、実施して良かったと感じています。
社名 | 日本製紙株式会社 |
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設立 | 1949年8月1日 |
資本金 | 1,048億73百万円(2023年3月末現在) |
社員数 | 単体:5,060人(2023年3月末現在) |
主な事業内容 | 紙、紙パック事業、液体用紙容器事業、ケミカル事業、エネルギー事業、アグリ事業、セルロースナノファイバー事業 |
インタビューご回答部署:CSR本部 リスクマネジメント統括部コンプライアンス室(組織名は2024年3月時点)
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