従業員数1,058名(2015年12月31日現在)。創業1872年から140余年という長い歴史を持つ。医薬品の中でも4つの重点領域(「腎・透析領域」「皮膚疾患領域」「アレルゲン領域」「HIV感染症領域」)に経営資源を集中し、今日の医療や人々の健康に貢献し続けている。
弊社では、コンプライアンス意識調査を2年に1回、全社員に実施しております。調査では、コンプライアンスに関する社員の意識や職場の現状、推進活動の進捗について把握すると同時に、調査結果を今後のコンプライアンス推進活動に役立てることを主な目的としています。
推進活動については、弊社では部門ごとにコンプライアンス責任者がおり、半年に1回、定期的にコンプライアンスの勉強会を開催しております。その勉強会の場で、調査結果を基に部門ごとの課題を考え、対応策や改善方法を検討しております。
貴社(日本能率協会総合研究所)にお願いするのは、実は2社目となります。調査回数を重ねる度に、弊社側のコンプライアンス意識調査に求める要求水準が高くなり、そういった要求水準に合わせて、会社をスイッチしてまいりました。
会社を切り替えた理由は、紙だけではなくWEBと併用可能な調査にしたかったから、ということが1点あります(以前は用紙のみで調査を実施)。さらに、「単純に調査結果はこうです」ということを教えて頂くだけではなく、「この課題についてのアプローチはこういう方法があります」という具体的な提案が欲しかったからです。長年コンプライアンス意識調査を実施してきて、現在は結果を知るだけではなく、その後のアクションやフォローが一番大事な時期に入っています。ですので、調査後のアプローチについてアドバイスして頂けることが、御社にお願いする大きな決め手となりました。実際に、前回の講評は大変参考になりました。
最も苦労した点は、質問項目の社内調整です。社長をはじめ経営陣や部門ごとのコンプライアンス責任者の方などから、いろいろと意見や提案を頂きました。せっかく頂いた提案なので、調査になるべく反映させたいという思いはありましたが、他の質問との整合性も考えないといけないので、調整に気を使いました。
また、個人の回答内容の漏洩やそれに伴う不利益について心配する社員もいたので、実施方法や情報の取り扱いに対して、準備段階でかなり周知をしました。最終的には、回答率が99.5%と非常に高く、社員のみなさんが安心して回答して頂けた結果だと思っております。回答率については、貴社から調査中に、中間報告をかなりスピーディーかつ詳細に頂けたので、弊社側で社員へのアプローチがとりやすかったという面もあります。
コンプライアンス意識調査は、「社員の意見を聞いて現状を把握するツール」というだけではなく、「コンプライアンス意識の醸成」という意味合いでも重要だということに気づきました。質問項目を通じて、「こういうことに気をつけるべき」「これは守らなければならないこと」など、全員に同じレベルで周知ができる、という点は大きな効果だと思います。また、先ほど「社内調整」の話をいたしましたが、経営陣が社員に対して聞きたいことを調査に盛り込むことによって、経営陣の「望み」や「思い」を社員に伝えることができる、という面もあります。
さらに、質問に答えていく中で、社員一人ひとりが「自分はできている?できていない?」ときちんとコンプライアンスに対して向き合って考える時間を持つ、ということの意味合いは非常に大きいと思います。
コンプライアンス意識調査は、PDCAのCの部分に位置づけられる重要なツールです。私たちが取り組んできたことが結果的にどうだったのか、ということを経年変化で確認していくと同時に、他社水準との比較も含めた詳細な分析によって、コンプライアンスが社内風土として浸透・定着してきたのかを見極めていきたいです。
また、社員の意識がレベルアップすることによって、調査結果(スコア)の解釈が難しくなる部分もあるかと思いますので、本質的な実態を見抜いていく必要があるかと思います。
分析、またその後のフォローについては、今後もさらにご提案の質を高めていきたいと思います。今回のインタビューの中で印象的だったのは、事務局だけではなく、経営陣や社員と一体になって調査を作りあげている点でした。今後もこの強みを活かして頂ければと思います。
社名 | 鳥居薬品株式会社 |
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設立 | 1921年(大正10年)11月1日 |
資本金 | 5,190百万円 |
社員数 | 1,058名(2015年12月31日現在) |
主な事業内容 | 医薬品の製造・販売 |
インタビューご回答者:コンプライアンス推進部長 山田雄一郎様、総務部長 萩原克美様、コンプライアンス推進部 課長 山田和重様
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