
2026.03.10

(株)日本能率協会総合研究所 経営・人材戦略研究部 研究員
主として民間企業・公的機関の従業員エンゲージメント調査に従事。「働きがいに関するアンケート」等の自主調査に参画。人材系IT企業を経て、2023年11月より現職。
2026年2月17日、「従業員エンゲージメント施策交流会 ― 他社と学ぶ“現場で活かせる”実践知 ―」を開催しました。対面・オンラインのハイブリッド形式で実施し、多様な業種・規模の企業から、主に従業員エンゲージメントに関する取り組みを担当されている方々にご参加いただきました。
従業員エンゲージメントサーベイ自体は、今や多くの企業で定着しつつあります。一方で、「調査後の施策をどう設計し、どう展開していくか」という運用フェーズに難しさを感じているという声は少なくありません。今回の交流会は、まさにその「運用」に焦点を当て、他社のリアルな実践から学ぶ場を提供できればと思い、企画いたしました。
当日は大きく2つのパートで構成しました。
①「自分の言葉で『エンゲージメント』を捉え、自社の課題と伸びしろを整理する」
②「ご参加の皆さまが取り組んでいる・これから取り組もうと考えている施策について整理・共有する」
グループワーク形式で施策について意見交換いただいた際には、今回の交流会を設定した目的の一つであった「各社の具体的な悩みの共有」が盛んに行われました。
例えば、よく知られたコミュニケーション施策の一つとして、「1on1ミーティング」があります。上司と部下の関係性の強化や、キャリア形成支援などを目的に導入されることの多い取り組みですが、その目的や運用方法は各社各様でした。会社の制度として実施している、していないの議論から始まり、どれくらいの頻度で、どういう話題で行うのか、上司だけでなく部下も話題を用意した方がいいのか・・・各社各様のやり方や工夫が共有され、非常に白熱した話題となりました。
こうした議論を通じて改めて感じたのは、施策一つとっても、工夫次第で成果の出方が大きく変わるという点です。他社の具体的な取り組みや工夫を知ることで、「自社でも試してみたい」と思えるヒントを持ち帰ることができるのは、こうした交流の場ならではの価値だと思います。
また、今回の交流会では、「そもそも自社にとって従業員エンゲージメントとは何か」を改めて考えるワークも行いました。「エンゲージメント」は、辞書的な意味では「(結婚などの)約束」「契約」「(歯車などの)噛み合い」となりますが、実務においては自分の言葉で再解釈する必要があります。「エンゲージメント」について、参加者の考え方を聞きながら、改めて自分の言葉で「エンゲージメント」を捉え直してみると、自社の現状や取り組みについて客観的に見つめなおす機会になったという点も、今回の交流会の一つの成果だったのではないかと思います。
1on1に限らずですが、思った通りには施策が機能しない、この悩みに尽きるのだと思います。エンゲージメントは何か特定の要因で高まる・低まるものではなく、複合的な要因と、会社(職場)での経験の蓄積によって形成されるものだと考えています。また、組織のカルチャーも組織の数だけ存在します。それゆえに、どの組織にも効く万能薬的な魔法の施策は存在せず、組織の実情に応じた一つ一つの施策の試行錯誤、地道な関係性構築が重要となってきます(我々もそんな魔法のような施策があればいいのにな、と思いつつ・・・)。
後日、交流会に参加された方からは、
「他社の取り組みを具体的に聞くことができ、自社でも試してみたいアイデアが見つかった」
「同じような課題を持つ担当者と悩みを共有することができた」
などのお言葉をいただき、企画した事務局として冥利に尽きます。
改めまして、当日ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。また、こうした実践知の共有にご関心をお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひ次回の場でご一緒できればと思います。
従業員エンゲージメント施策交流会 事務局
新谷 七野 松田
文責:髙尾
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