特別対談【1】
人的資本経営時代におけるエンゲージメント向上のポイントについて(全5回)

本ページは、弊社が行った人的資本経営時代におけるエンゲージメント向上のポイントに関する、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 岩本特任教授と、弊社、日本能率協会総合研究所、経営人材戦略研究部部長の馬場主幹研究員による対談をテキスト化したものです。
対談全編の資料を下記から無料でダウンロードいただけます。

また、当対談に関する岩本特任教授による弊社ウェビナーは以下URLより無料でご視聴可能です。

インタビュアー

馬場 裕子

株式会社日本能率協会総合研究所 経営・人材戦略研究部 部長
組織・人材戦略研究部 ダイバーシティ推進室長 主幹研究員
一般社団法人メンタルヘルス研究所 顧問

20年以上にわたり、企業の組織・人材戦略の支援、及び、エンゲージメント(従業員満足度)診断を中心とした組織課題の把握とKPI作成、施策提案に従事。
また、ダイバーシティ推進やストレスマネジメントに関する従業員意識調査や、リーダーのコミュニケーションスキル向上のための部下アンケートを使ったコーチング、メンター制度導入支援のサービスなどを開発し、民間企業を中心に展開する。
経営学修士(MBA)、GCS認定コーチ、ポジティブ心理学プラクティショナー、ISO30414マイスター講座終了


1.エンゲージメントサーベイを実施する上での留意点

私どもは民間企業を対象に、様々なステークホルダーの調査、研究を通じて経営課題をあぶり出し、それに対して提言をしていく仕事をさせていただいております。
そのステークホルダーというのは、従業員だけではなくお客様、あるいは取引先(サプライヤー)など様々な方を対象に調査を実施しています。私自身は20年以上エンゲージメントサーベイや従業員エンゲージメントに関わる仕事をしておりますので、先生との対談を非常に楽しみにしてまいりました。本日は、よろしくお願いいたします。

岩本特任教授よろしくお願いいたします。

(弊社ウェビナー内において)先生のお話でも、従業員エンゲージメント向上の重要性や、昨今ではやはり人的資本経営の時代ということで、その関心の高まりを改めて実感いたしました。本日の視聴者の方々は、おそらく人事部などに所属し、エンゲージメントサーベイをやってみたい、あるいは今まで自前でやってきたけれども、もう少し客観的な目線でやってみたい、あるいは今までのやり方は限界があったので、少しやり方を変えてブラッシュアップしていきたい、という企業の方が多くいらっしゃると思います。
これからエンゲージメントサーベイをやっていこうとする会社や組織にとって、サーベイをやる上での留意点や、気を付けたら良いことがあれば教えていただければと思います。

岩本特任教授まず、現在、健康経営というものが流行っていますが、健康経営銘柄の設問項目に、今日冒頭にお話した“ワークエンゲージメント”が入っていて、“ワークエンゲージメント”を測定されている企業さんは実は非常に多いのです。ワークはやはり仕事への没入感や仕事に対してなので、組織との関係性は“ワークエンゲージメント”ではあぶり出せません。
組織の課題まで落とし込もうと思うと、“従業員エンゲージメント”のサーベイをしなければならないのが、最初のステップアップとしてあります。
“ワークエンゲージメント”は皆さんやっていますが、“従業員エンゲージメント”をやらなければいけないことと、あとは“従業員エンゲージメント”のサーベイのツールは非常にたくさんあります。
日本能率協会総合研究所さんでもいろいろとされていたと思うのですが、設問項目がツールによって全部違っていたりするので、自社にあったどのような設問項目が良いのかという点では、皆さんなかなか苦労されています。その意味では、エイヤーでツールを選定してツールにある設問項目を中心にやっていても、どうも自社に合わないという話も結構あり、その辺りが現在ハードルになっている気がします。

ストレスチェックが義務化されてからは、ストレスチェックは年に1回必ず行なうので、ワークエンゲージメントは多くの会社でも既に測られていることが多いと思います。組織課題をあぶり出すためには、もう少し違う項目で聞いていく必要があるということでしょうか。

岩本特任教授そうです。

2.サーベイを実施する際の匿名性担保の重要性

弊社ウェビナー内の先生のお話でも、従業員の忖度のない意見を吸い上げることが重要とありました。私どもでもサーベイをやるときに、匿名性の担保も非常に重視しており、どうしたら従業員の方が忖度せずに本音を言ってくれるかという点に非常に気を配って調査をいたします。やはりそういった忖度のない生の声を集めることも、ひとつのポイントになりますでしょうか。

岩本特任教授それは非常に重要で、匿名でやる会社もあります。
もうひとつはエンゲージメントサーベイで、匿名ではなくても本音を言える企業文化があれば実名でもやられたりします。あくまでもこのエンゲージメントサーベイというものは従業員がハッピーになるためのサーベイであって、評価をするものではありません。(会社に対して)きついことを言ってもマイナス点はつけないということを企業がしっかりと担保することです。実名でやられている会社も結構ありますが、それを企業が約束をして担保すれば、実名でも問題ないかと思います。

そういった組織風土がしっかりできている、心理的安全性が確保されている会社であれば実名でもできるし、それがしっかりと経営にも届くということでしょうか。

岩本特任教授逆に今、エンゲージメントが非常に高くて高止まりしている企業などは、むしろ経営トップがもっと課題を見つけろということで、マイナス点を従業員にあえて指摘しろと言っている会社もあります。
そのぐらいの会社になると、本音をズバズバ言ってもなんともなく、むしろ評価される環境になっていると思います。

非常に風通しが良く、縦横しっかりとコミュニケーションが取れている会社だとそうなのですね。

岩本特任教授ただ最初から実名でやると大変なことになるかもしれない可能性はあると思います。

初めての場合は、まず匿名でやった方がいいのかもしれませんね。

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