人材版伊藤レポートでも、経営戦略と人事戦略の連動といったところは非常に強く言われていますが、私どものエンゲージメント自主調査(詳しくはこちら)でもやはりまだそこは課題で、きっちり連動していないケースもあると思います。そこをうまくやっていくのは、まさに経営層の本気度に関わってくる気がします。
さて、経営戦略と人事戦略の連動では、ある会社さんのCHROの方が、人事と経営層、財務の関係性が良いことがポイントだという話をされていて、そういったところもひとつポイントになるのかなと思いました。
岩本特任教授コミュニケーションが取れることが重要です。CFOの方などは数字がベースなので、CHROは数字で自社の人材について語れないとまず議論が噛み合いません。
今、いろいろなISOの国際規格もあれば、データにするためのガイドラインが多数出ているので、その意味では自分でそれを考えないといけないのではなく、世の中で使われているものを活用できます。
そういったことで、自社の人材をきちんとデータでCHROが把握できるようになると、CEO、CHRO、CFOでディスカッションができるようになります。従業員ゲージメントも、指数化というのですが、指数にして語っていくことが重要です。
今の話(経営戦略と人事戦略の連動)に関連して、(弊社ウェビナー内において)好事例の一つとして味の素様をご紹介いただきました。味の素様もASV、シアードバリューで、バリューを実現するためにエンゲージメントサーベイも活用されていて、ASVを体現するための要素もサーベイに盛り組んでいるなど、まさに会社が目指す方向と合致したサーベイをされている印象を受けました。
私どもが20年以上ご支援しているANAさんも途中からANA’s Way Surveyということで、ANA’s Wayという会社が目指す方向性に対しての調査のような位置付けになり、まさに従業員の満足度や不満を図るものではなく、経営課題をあぶり出すそのものという捉え方をしています。そういった企業さんが今後も増えてくるのでしょうか。
岩本特任教授結局、経営戦略自体が個社ごとに全部違うので、人材戦略も変わってきます。その意味ではエンゲージメントも測定すべき項目、ベースとしてのテンプレートはあるのかもしれませんが、そのなかでも自社のフェーズによって重要な点は変わってきます。戦略イコール何が重要かということなので、そこをしっかりと見ていくことが重要だろうという気がします。
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