特別対談【5】
人的資本経営時代におけるエンゲージメント向上のポイントについて(全5回)


10.日本企業の従業員エンゲージメントを高めるための応援メッセージ

では最後に、日本の企業の皆様への応援メッセージということで、(弊社ウェビナー内において)ギャラップさんの結果で、日本のワークエンゲージメント、仕事に対するエンゲージメントが諸外国に比べてだいぶ低いという、非常にショッキングなデータのご紹介がありました。
もしかしたら日本人は会社に対してのエンゲージメントというか誇りは比較的高いのかもしれませんが、仕事に対してはまだ欧米などと比べると低いのかもしれません。やはり私どもも日本企業が元気になってくれることを非常に望んでおりますので、最後に日本企業の皆様のエンゲージメントを高めるための応援メッセージを一言いただければと思います。

岩本特任教授日本の従業員ゲージメントが結構低いのは、おそらくパートナー関係になっていないということが要因の一つかと思います。(弊社ウェビナー内において)親子関係の企業が多く、企業が親で従業員が子供で、親の言うことを聞く従業員のようになっているのです。それはエンゲージメントとは合わないというか、対等な関係になっていません。
今、労働人口が次第に減っているので、対等にならざるを得なくなってきていますが、親子ではなくパートナー関係になる必要がまずひとつあると思います。
そのためには、親の言うことを聞くことに慣れてしまっているのですが、1人1人が自立をしていくことです。
1人1人がまずプロとして立っていくことについては、日本はこれまで弱かったのですが、最近プロスポーツの世界で、大谷選手を初めとして尖った存在が出てきていて、そこが1歩進んでいます。1人1人が立ってくることがまず大きな課題と思います。実はチーム力は日本の企業は非常に高いので、1人1人が立つと、それこそWBCが良い例ですが、世界一になることが可能となります。1人1人が立ってくれば、従来日本が強かったチーム力が非常に生き、企業は組織として戦うものなので、世界最強の組織が作れるのではないかと思います。

強い個を作るためには会社がそういった環境を作る、あるいはマネージャーの後押しなども必要かもしれませんが、1人1人がセルフマネジメントをし、自分の意識を高く持ってスキルを高めるといった努力も必要になりますね。

岩本特任教授親子ではなく対等なので、1人1人も自立していくことです。それができると逆に、非常に強い組織になっていくと思っています。

企業においても、WBCのような強い日本チームが実現するかもしれません。非常に示唆に富んだ、ためになるお話をいただきましてありがとうございました。

岩本特任教授ありがとうございました。

インタビューご回答者:慶応義塾大学大学院 政策メディア研究科 特任教授 岩本 隆 様 
(肩書は2024年11月時点)

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