【事例あり】従業員エンゲージメントが高い企業の特徴とは?意味や向上させる方法と併せて解説

2025.11.26

一般的にエンゲージメントが高い企業は離職率が低く、業績アップが見込みやすいと言われていますが、エンゲージメントが高い企業とは、具体的にどのような組織のことなのでしょうか。

そこで今回は、25年以上の長きにわたってさまざまな業界・規模の企業にエンゲージメントサーベイ(従業員エンゲージメント調査)を提供してきたJMARが、従業員エンゲージメントが高い企業に見られる特徴について、顧客企業様における実際の事例とともに紹介していきます。

また併せて、自社の従業員エンゲージメントを高める上で効果的な施策や、従業員エンゲージメントが低い企業がどうなるのかも解説していきますので、ぜひ最後までご確認ください。

企業におけるエンゲージメント・従業員エンゲージメントとは

まずは、ビジネスシーンにおけるエンゲージメントという言葉の意味を確認していきましょう。

エンゲージメントという言葉は、ビジネスシーンにおいては企業(自社)と個人、または他の企業といった関係各所との関係性や、その関係性の程度を示す指標として使うのが一般的です。

具体的には、企業と従業員との関係性を表す従業員エンゲージメント、企業の仕事と従業員との関係性を表すワークエンゲージメント、企業と顧客(法人・個人)との関係を表す顧客エンゲージメントの3つがあり、両者間の関係性やつながりの強さを確認する指標として使います。

なお「エンゲージメントが高い企業」などのように、企業を評価する際にエンゲージメントという言葉を使う場合は、基本的に従業員エンゲージメントを指す言葉として使われることが多いです。

つまり、エンゲージメントが高い企業=従業員エンゲージメントが高い企業のことだと理解しておけば、問題ないでしょう。

【関連記事】
会社にとっての「エンゲージメント」とは?ビジネスシーンにおける意味・定義や高める方法を解説

従業員エンゲージメントと従業員満足度の違いについて

企業と従業員の関係性を表す従業員エンゲージメントと似た言葉に、従業員満足度があります。

しかし、これらの言葉の意味・定義には以下のような明確な違いがあるため、従業員満足度が高い企業=エンゲージメントが高い企業ということにはなりません。両者を混同してしまわないように、注意しましょう。

従業員エンゲージメントとは

従業員満足度とは

「従業員エンゲージメントが高い」企業はどうなる?メリットは?

従業員エンゲージメントが高い状態とは、従業員が所属する組織のビジョンやミッションに深く共感していて、自身との間に強固なつながりや信頼関係を感じて働いている状態のことです。

従業員エンゲージメントが高い状態になると、組織に対して強い誇りと愛着を感じ、やりがいを持って業務に取り組む社員が増えるため、離職率が下がり、生産性が向上すると考えられます。

また、自社に貢献したいという意欲が高まり、一人ひとりの社員が会社の掲げるビジョンや目標を達成するために自発的に動く傾向が強くなるため、製造・販売する商品やサービスの品質、魅力の他、会社としての業績、売上が向上する等のメリットも期待できるでしょう。

従業員エンゲージメントが低い企業は将来的にどうなる?

従業員エンゲージメントが高い企業が複数のメリットを得られるのに対して、従業員エンゲージメントが低い企業は、将来的に以下のような事態に陥ってしまうリスクが高いと考えられます。

企業の人的資本状況に大きく関係する従業員エンゲージメントは、投資家や市場が企業の価値を評価する上で重要な基準の一つとなります。そのため人事的にはもちろん、経営的な観点においても、企業は従業員エンゲージメントの向上に積極的に取り組まなければならないのです。

従業員エンゲージメントが高い企業に見られる特徴7選

ここからは、さまざまな企業に対してエンゲージメントサーベイを提供してきたJMARが考える「従業員エンゲージメントが高い企業に見られる特徴」について、計7つ紹介していきます。

ひと通り目を通して、自社の組織や従業員に当てはまるものがあるか、確認してみてください。

企業のパーパスやビジョン、価値観が浸透している

何を大切にし、どのような将来像に向かって企業活動を行うのかといったパーパスや価値観が明確で、かつ、それらが一人ひとりの社員に浸透している企業では、自分がやるべきことや進むべき方向性を理解して働けるようになるため、従業員エンゲージメントが高い傾向にあります。

上司への信頼が厚く、組織の心理的安全性が高い

従業員が会社に対して抱く不満のうち、高い割合を占めるのが、職場における人間関係です。

そのため普段から同僚、直属の上司とのコミュニケーションが活発で、一緒に働く従業員同士がお互いを信頼できている組織では、従業員エンゲージメントも自然と高まると考えられます。

企業の中にチャレンジを歓迎する風土が育っている

従業員エンゲージメントが高い企業では、従業員の成長や挑戦を支援する環境も整っています。

自身の成長のため、また個人が望むスキルやキャリアを手に入れるためのチャレンジを応援する風土が醸成されているかどうかも、従業員エンゲージメントに大きく影響を及ぼす要素だと言えるでしょう。

会社が従業員に対し、柔軟な働き方を推奨している

従業員エンゲージメントが高い企業では、在宅勤務やフレックスタイム制などの柔軟な働き方、勤務形態を社員本人が選択できる仕組みが整っていて、さらにこれらの制度の利用を企業側が推奨しているというケースも少なくありません。

仕事を通して、従業員が自身の成長を実感できている

従業員エンゲージメントの高い企業では、日々の業務を通して自らの成長を実感できている社員が多いのも特徴です。このことから、社員が成長を実感できるような教育や業務上の仕組み、制度のある会社の方が、従業員エンゲージメントが高くなりやすいと考えられるでしょう。

従業員が会社と自分の将来に期待、希望を持っている

社員が自身の将来に対して希望や期待感を持っている企業では、従業員エンゲージメントが高い傾向にあります。

具体的には、従業員が自らの置かれた現状にポジティブな印象を抱いていたり、前向きになれるような中期経営計画が企業側から提示されているような組織においては、従業員エンゲージメントが高くなりやすいと言えるでしょう。

会社の人事制度、評価システムに納得している人が多い

従業員エンゲージメントは、会社が自社の人材を大切にする姿勢を表彰や昇給、または本人が希望するキャリアパスの承認といった明確なかたちで伝えることにより、少しずつ高まっていくものです。

そのため、従業員エンゲージメントが高い企業の特徴としては、自社の人事制度や評価システムに納得し、働きぶりが認められていると感じる社員が多いことも挙げられるでしょう。

従業員エンゲージメントの向上に役立つ!施策の具体例

ここからは、先ほど確認した従業員エンゲージメントが高い企業に見られる特徴をもとに、従業員エンゲージメントの向上に役立つ取り組みを6つ紹介していきます。

自社をエンゲージメントが高い企業にしていくために、まずは従業員エンゲージメントの向上に効果的な施策の具体例が知りたいという場合は、ひと通りご確認ください。

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エンゲージメント経営について解説|意味や自社で実践するメリット・具体的な導入の方法とは?

従業員エンゲージメントが高い顧客企業様2社の事例を紹介

ここからは、JMARが提供するエンゲージメントサーベイをご利用いただいている顧客企業様の中から、特に従業員エンゲージメントが高かった2社の事例について、紹介していきます。

どのような設問で調査を実施しているのか、また調査結果をどのように活用し、従業員エンゲージメントのスコアアップに向けた取り組みをされているのかも含めて紹介していきますので、ぜひ自社における施策を考えるための参考としてご覧ください。

全日本空輸株式会社(ANA)様

全日本空輸株式会社(以下、ANA)様では、2002年からJMARによる調査(当初はESS調査と呼ばれる社員満足度調査)を導入。その後、毎年内容をブラッシュアップしながら対象範囲を広げて調査を実施し、2014年以降は「ANA’s Way Survey」と称して調査を継続されています。

ANA様では、従業員エンゲージメントを働きやすさと働きがいの2つの要素が揃っていて、かつ会社と社員がお互いに尊重・貢献し合う関係性ができてこそ成立するものだと考えています。

ANA’s Way Surveyは、自社の捉え方におけるエンゲージメントが社員との間で育っているか、また従業員がANAグループの経営理念、経営ビジョンの実現に向けて「あんしん、あったか、あかるく元気!」に行動指針(ANA’s Way)を実行できているかを、定点観測していくという視点で取り組んでいるものです。

独自にカスタマイズした質問から得られた調査結果のうち「仕事のやりがい」「ANAグループへの誇り」「総合スコア」の3つの項目については、非財務情報として公表(2024年時点)。

さらに、これらのエンゲージメントスコアを改善するためのKPI、特定課題を設定し、以下のような取り組みも行っています。

その結果、2024年度のANA’s Way Surveyにおける全体スコアは3.98ptの高水準を維持することに成功(なお目標値は4.02pt)。また「仕事のやりがい」「ANAグループへの誇り」と「ANAグループへの将来への期待」という項目においては、いずれも2023年度の調査結果を上回る高いスコアを獲得しています。

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ANA特別インタビュー「ANA’s Way Survey」について(全5回)

アリナミン製薬株式会社様

アリナミン製薬株式会社様は、もともとは他社様が提供するエンゲージメントサーベイを活用しておられましたが、自社グループのスコアを経年比較するだけでなく、他社と自社のスコアの相対的な比較も行いたいという思いから、2023年よりJMARによる調査を導入されました。

これまでの設問に加え、さらに従業員の本音を深掘りするための質問、そして部門ごとの課題を探るためのオリジナル質問を追加してグループ全体にエンゲージメントサーベイを実施し、その結果を以下のように活用されています。

なお、従業員エンゲージメントを高めることを目的としてさまざまな人事制度の構築・見直しや、人材育成の仕組みづくりを行ってきた同社では、毎年少しずつ従業員の総合満足度が上昇しており、2024年の調査では直近の3年間における最高値である85%のスコアを獲得しています。

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アリナミン製薬特別インタビュー 企業独自の価値観を軸に、他社ベンチマークもできるサーベイ〜グループ会社横断で見えた課題と成長〜

「日本型雇用対応のエンゲージメントサーベイ」ならJMAR

人的資本開示が義務化された現代において、人事部門はもちろん、経営の観点においても従業員エンゲージメントを調査して可視化することの重要性が非常に高まってきていると言えます。

JMARでは、海外とは異なりメンバーシップ型の雇用を主流とする日本型の労働慣行を鑑みた「日本型の従業員エンゲージメント」を調査するエンゲージメントサーベイを提供しています。

《JMARのエンゲージメントサーベイ5つの特徴》

※日本語だけでなく、さまざまな言語を用いたグローバル調査にも対応しております。

また、人事・組織領域に精通した経験豊富な研究員が、エンゲージメントサーベイで得られた結果に洞察を加え、データから導き出された課題に対して実効性の高い施策を提言するところまで、しっかりと支援いたします。

エンゲージメント強化や人的資本経営に関する悩みを抱えていて、調査から結果の分析、具体的な施策の提案までしてくれるパートナーをお探しのご担当者様は、ぜひJMARまでお問合せください!

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