
2025.10.11

エンゲージメントとモチベーションは、どちらも従業員の生産性や会社の売上の向上を目指す上で重要な要素ですが、2つの言葉の意味や高めることによる効果には、違いもあります。
そこで今回は、民間企業を中心にさまざまな業種・規模の企業にエンゲージメントサーベイ(従業員エンゲージメント調査)を提供してきたJMARが、エンゲージメントとモチベーションの違いについて意味や向上によるメリット、高める方法などの視点から解説していきます。
エンゲージメントとモチベーションの違いを確認したいという場合や、自社のさらなる成長と発展のために、エンゲージメントとモチベーションの高め方が知りたいという企業のご担当者様は、ぜひ参考としてご覧ください。
まずは、エンゲージメントとモチベーションの言葉の意味の違いについて、説明していきます。
ビジネスシーンにおけるエンゲージメントとは、主に従業員エンゲージメントを指す言葉です。
従業員エンゲージメントとは、従業員と企業の間の絆やつながり、そしてその根源となる愛着や誇り、思い入れなどの程度を表す指標のことです。
従業員が所属組織が掲げるビジョンやミッション、理念に深く共感していて、会社への貢献意欲とやりがいを持って仕事をしているほど、従業員エンゲージメントが高い状態だと言えます。
対してモチベーションとは、人が何らかの行動を起こす際の原動力となる動機、気持ちのことです。ビジネスシーンにおいては、従業員個人が仕事に対して持つやる気、意欲などがモチベーションに当たると言えるでしょう。
エンゲージメントとモチベーションの意味・定義における主な違いとしては、想いが「双方向か、一方通行か」、そして想いの対象が「組織全体か、仕事か」という2点が挙げられます。
以下の一覧に、エンゲージメントとモチベーションの想いの方向、またその想いが向かう対象の違いについて簡潔にまとめましたので、2つの言葉の違いを理解する際にお役立てください。
| 想いの行き先、方向 | 想いが向かう対象 | |
|---|---|---|
| エンゲージメント | 従業員と企業組織が双方向でつながり、貢献し合う関係性 | 所属する組織全体(勤務先) |
| モチベーション | 個々の従業員が仕事に対して一方的に持つ熱意、やる気 | 自分が従事している業務 |
想いが双方向か一方通行か、またその対象においても違いのあるエンゲージメントとモチベーションですが、どちらも同じく従業員のやる気や生産性に関わる要素であるため、両者は相関関係にあります。
例えば、組織に強い愛着と誇りを持つエンゲージメントの高い社員は、企業の目標達成を自身の課題・目標として捉えるため、仕事への意欲=モチベーションが高くなります。
またモチベーションが高い社員は、仕事を通して自身が得る達成感や充実感、満足感を高めたいと考え、企業が掲げる目標の達成を目指すため、結果的に組織への貢献意欲が高い=エンゲージメントが高い状態になる可能性があるのです。
ただしモチベーションは、企業のミッションやビジョン、理念に共感していない状態であっても表彰や給与、インセンティブといった報酬、労働環境、労働条件などによっても高まる場合があります。
そのため、必ずしも「モチベーションが高い=エンゲージメントが高い」というわけではありません。
自社の従業員のエンゲージメント・モチベーションを高めるには、どちらか一方だけでなく、両方を高めることを目指して施策を検討しなければならないと理解しておくことが大切です。
エンゲージメントとモチベーションには、高めることによるメリットにも違いがあります。
以下にエンゲージメント、モチベーションを向上させることによる代表的なメリットをそれぞれ3つずつまとめましたので、ご確認ください。
上記の通り、熱意をもって仕事に取り組む社員が増えること、そしてその効果により、会社全体の生産性や業務効率が上がることは、エンゲージメント、モチベーションを向上させることによる共通のメリットだと言えます。
エンゲージメントとモチベーションの概念は相互関係にあるため、従業員エンゲージメント向上のための施策のうち、一部はモチベーション向上のための取り組みとしても有効です。
そこでここからは、特に「エンゲージメントの向上に効果的なもの」と「モチベーション向上に効果的なもの」に分けてそれぞれを高める方法、及びその違いについて紹介していきます。
会社の考え方・大切にしていることを経営理念やパーパスという形で明確に言語化し、従業員に伝えることは、エンゲージメントを高める上で不可欠な企業への共感の獲得に効果的です。
そして、従業員間におけるコミュニケーション機会の創出は、組織内の人間関係の改善と従業員同士の信頼関係の構築に、また教育機会の提供による管理職のスキルアップは社員の心理的安全性や働きやすさを高める上で効果的だと言えるでしょう。
エンゲージメントの向上に効果的な人間関係の改善、及び職場の環境がより良くなるように整備していくといった働きやすさを高めるための施策には、モチベーションアップへの効果も期待できます。
また、評価制度を従業員にとって納得感のある内容に変えていくことも、仕事のやりがい・働きがいを高める上で役立ちます。
私たちJMARでは、「働きやすく、そして働きがいのある組織」の実現、またこれを基盤とした企業業績向上の実現に向けて、定期的にエンゲージメントサーベイを実施し、自社人材のエンゲージメントやモチベーションの実態、人的資本状況を把握することをおすすめしています。
JMARのエンゲージメントサーベイには、従業員のモチベーションを探るための調査項目もございます。また、貴社の実情や課題感に合わせ、設問項目をカスタマイズすることも可能です。
自社従業員のエンゲージメント・モチベーションを高めるための施策の第一歩として、まずは実態を調査・把握したいという企業のご担当者様は、ぜひお気軽にJMARまでご相談ください。

人的資本開示が義務化された現代において、人事部門はもちろん、経営の観点においても従業員エンゲージメントを調査して可視化することの重要性が非常に高まってきていると言えます。
JMARでは、海外とは異なりメンバーシップ型の雇用を主流とする日本型の労働慣行を鑑みた「日本型の従業員エンゲージメント」を調査するエンゲージメントサーベイを提供しています。
《JMARのエンゲージメントサーベイ5つの特徴》
※日本語だけでなく、さまざまな言語を用いたグローバル調査にも対応しております。
また、人事・組織領域に精通した経験豊富な研究員が、エンゲージメントサーベイで得られた結果に洞察を加え、データから導き出された課題に対して実効性の高い施策を提言するところまで、しっかりと支援いたします。
エンゲージメント強化や人的資本経営に関する悩みを抱えていて、調査から結果の分析、具体的な施策の提案までしてくれるパートナーをお探しのご担当者様は、ぜひJMARまでお問合せください!
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