
2025.11.03

従業員エンゲージメントのスコアは、企業を評価する際の重要な基準の一つとなっています。
そのため、近年では自社でエンゲージメントサーベイを実施する企業も増えていますが、一部の企業では社員から「エンゲージメントサーベイは無駄」「回答しても意味がない」と批判を受けてしまうケースもあるようです。
今回は、これまで民間企業を中心に計6,200社以上の企業にエンゲージメントサーベイを提供してきた私たちJMARが、エンゲージメントサーベイが無駄だと言われてしまう主な理由や調査の重要性、実施した調査を無駄にしないためのポイントについて解説していきます。
はじめに、エンゲージメントサーベイがどのような調査なのか、改めて確認していきましょう。
別名「従業員エンゲージメント調査」とも呼ばれるエンゲージメントサーベイは、従業員の企業への愛着、誇り、共感の程度や、両者間のつながりの強さを数値化・可視化したものです。
具体的には、従業員に数十問から成る選択式のアンケート、及び自由記述の質問に無記名で答えてもらう方法が一般的で、得られた回答を集計・分析して自社のスコアとして算出します。
なお、エンゲージメントサーベイと似たイメージのある調査として「従業員満足度調査」がありますが、エンゲージメントサーベイと従業員満足度調査ではそれぞれ測定対象が異なります。
従業員満足度は、職場の雰囲気や働く環境、条件、給与などの待遇面に対する従業員の満足度を表す指標のことであり、従業員から会社に対する一方的な評価を表しているのが特徴です。
対してエンゲージメントは、前述した通り従業員が企業に対して感じている愛着や誇り、信頼感のことであり、従業員と企業の双方向的な関係性を表す指標のことです。
このようにエンゲージメントサーベイと従業員満足度調査には、異なる点が複数あるということも心に留めておきましょう。
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自社でエンゲージメントサーベイを導入・実施すること、またエンゲージメントサーベイで得られたデータを活用して組織の課題を解決することで企業が得られる可能性のあるメリットとしては、大きく以下の6つが挙げられます。
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実施や調査結果の活用により、さまざまなメリットを獲得できるエンゲージメントサーベイですが、なぜ一部の企業において「無駄」「実施しても意味ない」などの批判が出るのでしょうか。
以下からは、従業員からエンゲージメントサーベイを実施しても無駄だと言われてしまう、または実施した調査が無駄になってしまう理由について、具体的に3つ紹介していきます。
【エンゲージメントサーベイが無駄だと言われる・無駄になる理由3選】
会社がどのような目的でエンゲージメントサーベイを行うのか、何のためのアンケートなのかが従業員に伝わっていないと、「無駄な調査ではないか」と疑いを持たれる恐れがあります。
また、事前に調査の実施目的や活用方法を明らかにしておかないと、エンゲージメントサーベイを実施する側である経営陣や人事部が本当に把握するべき情報を収集できない、また獲得したデータをうまく活用できないといったことも起こりかねません。
正直にアンケートに回答しても会社の変化が実感できない、自分の意見が活用されていないと感じるような状況が続けば、従業員の間で「何のために調査に協力しているのか」「エンゲージメントサーベイは無駄」といった不満が出てきたとしても、仕方がないと言えるでしょう。
実施目的や活用方法がはっきりしないまま、また調査を活用した状況の改善ができないままエンゲージメントサーベイを続けていると、徐々に従業員の調査への参加意欲が低下していきます。
参加意欲が低下した結果、従業員から「まじめに答えても無駄」「調査に協力しても意味がない」と思われるようになると、アンケートに正確に回答してもらうことや、サーベイで従業員エンゲージメントや現場の状況、課題を的確に把握するのはかなり難しくなるでしょう。
また、心理的安全性の低い組織では「批判的な回答をしたら人事評価に影響するのではないか」といった懸念により、従業員から正確な回答を得ることができず、調査が無駄になってしまう可能性も考えられます。
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エンゲージメントサーベイが無駄だと言われる、無駄になってしまう理由がわかったら、次はエンゲージメントサーベイを無駄にしないために企業側ができること、知っておくべき注意点について確認していきましょう。
エンゲージメントサーベイを無駄にしないようにするためのポイントとしては、大きく以下の4つが挙げられます。
【エンゲージメントサーベイを成功させるためのポイント4つ】
企業側が調査を通して把握したいこと、調査で得られたデータを活用して達成したいことにより、エンゲージメントサーベイに盛り込むべき質問項目や構成は大きく変わってきます。
従業員の協力を無駄にすることなく、調査結果を効果的に活用するためにも、自社におけるエンゲージメントサーベイの目的と活用方法については経営層と人事部で時間をかけて話し合い、事前にしっかりと固めておきましょう。
従業員に「調査に協力しても意味がない」と感じさせないようにするには、エンゲージメントサーベイをやりっぱなしにしないことが大切です。具体的には、事前にエンゲージメントサーベイの目的を説明し、結果や今後の施策の方向性についてもフィードバックするようにします。
経営陣や人事部からエンゲージメントサーベイをポジティブに捉えてもらえるような情報・メッセージを発信して、従業員に「会社が自分たちにもメリットのあることをやってくれている」という理解、納得感をもって回答してもらえるような環境づくりを行いましょう。
1つ目のポイントでも少し触れましたが、エンゲージメントサーベイの質問項目や属性は、調査の目的や調査結果として得られたデータの活用方法に基づいて設定しなければなりません。
具体的な質問の設計を始める前に、目的や調査の活用方法と併せて調査の主題や、対象とする属性についてもきちんと決定・確認しておくようにしましょう。
エンゲージメントサーベイに対して従業員から正確な回答を得るには、組織を信用してもらい、正直に回答しても自身の不利益にならないということを理解してもらう必要があります。
エンゲージメントサーベイを実施する目的は「組織の中の誰が、どのような不満を持っているかを特定すること」ではなく、「現状の従業員の想いや、組織課題となり得ることをできるだけ正確に把握すること」です。
従業員が安心して回答できるように、自身の声を会社に届けることに意味があると思ってもらえるようにするには、匿名性を担保し、会社が犯人探しをしないことを従業員に明確に伝えなければなりません。
経営層や人事部から従業員へ丁寧な情報の周知、コミュニケーションを重ねて、組織全体の心理的安全性の確保・向上を目指しましょう。
日本型の雇用に対応!JMARの「エンゲージメントサーベイ」の特徴とは?
明確な根拠を持って組織を活性化したり、働きやすい職場づくりをしていくためには、まず自社の現状を見える化する作業が必要になります。エンゲージメントサーベイは、組織の状態を見える化するための非常に有効な手段であり、適切に実施すれば、決して無駄にはなりません。
経営トップや実施責任者が「自分たちの組織をより良くしていきたい」「働きがいのある職場にしていきたい」という熱い想いをもって準備を進めていくことができれば、エンゲージメントサーベイを効果的に実施・活用することができるでしょう。
もし、自社のエンゲージメントサーベイや調査結果の分析、また結果をもとにした施策の立案について伴走支援してくれるパートナーを探しているという場合は、ぜひ私たちJMARにもお気軽にご相談ください。

人的資本開示が義務化された現代において、人事部門はもちろん、経営の観点においても従業員エンゲージメントを調査して可視化することの重要性が非常に高まってきていると言えます。
JMARでは、海外とは異なりメンバーシップ型の雇用を主流とする日本型の労働慣行を鑑みた「日本型の従業員エンゲージメント」を調査するエンゲージメントサーベイを提供しています。
《JMARのエンゲージメントサーベイ5つの特徴》
※日本語だけでなく、さまざまな言語を用いたグローバル調査にも対応しております。
また、人事・組織領域に精通した経験豊富な研究員が、エンゲージメントサーベイで得られた結果に洞察を加え、データから導き出された課題に対して実効性の高い施策を提言するところまで、しっかりと支援いたします。
エンゲージメント強化や人的資本経営に関する悩みを抱えていて、調査から結果の分析、具体的な施策の提案までしてくれるパートナーをお探しのご担当者様は、ぜひJMARまでお問合せください!
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