「コンプライアンスの取り組み に関するアンケート」 結果報告書を公開しました

2025.05.29

株式会社日本能率協会総合研究所(JMAR、代表取締役社長:譲原 正昭)では、企業のコンプライアンスの取り組みの実態を把握することを目的に、コンプライアンスの取り組みに関するアンケート調査を行いました。

コンプライアンスの取り組みに関するアンケート調査

調査結果のポイント
  1. コンプライアンスの“体制”だけでなく、“姿勢”や“価値観”においても企業間格差が広がる兆し
    ◇コンプライアンス専任部門の設置は増加傾向にあるが、兼務型の企業も依然として多い。また、コンプライアンス部門の社員数も増加傾向にあるものの、約半数の企業で人員不足を感じている
    ◇コンプライアンスに関わる予算は「現状でよい」「もっと増やすべき」の両極の回答がともに増加し、投資の姿勢に差が見られる
    ◇担当者の価値観では、「企業価値を高めることが成果」とする層が引き続き多数派だが、「不祥事を起こさないことが成果」と考える
    層も増加→ 理念的にコンプライアンスを捉える企業と、リスク回避のみに重点を置く企業が並存
    ◇コンプライアンス部門の社内での影響力に関して、「コンプライアンス部門の影響力は小さい」とする回答は依然として存在
    ◇「コンプライアンスに反する触れてはいけないタブーがある」とする回答割合は2014年から変化が見られない
  2. 教育は全社的に実施されており、今後はマインド醸成型の教育が課題
    ◇役員・正社員・非正規社員のいずれにおいても、教育の実施率は高水準
    ◇教育テーマは「ハラスメント」「情報管理」など、業態を問わず発生しやすいリスクが中心
    ◇一方で、「インテグリティ教育」など、個人の倫理観や価値観の醸成につながるテーマは限定的
    ◇実施手法は「eラーニング」「社内・社外講師による研修」が主流
    ◇階層や内容を問わず広く実施されており、制度面での整備は進んでいるが、“マインドへの働きかけ”という質的な充実が次の課題
  3. コンプライアンス意識調査は一定程度実施されているが、その活用には課題が残る
    ◇「定期的に実施している」企業は約6割
    ◇調査結果の活用方法は「経営層や主管部門による現状把握」や「現場へのフィードバック」が中心
    ◇調査結果の活用における課題は「従業員へのフィードバック方法・内容」や「ベンチマークの設定」
    ◇従業員の意識醸成、KPI、外部開示といった“戦略的な活用”には至っていない企業が多い
  4. サプライチェーン全体でのガバナンス強化は今後の大きな課題
    ◇取引先から見た自社のコンプライアンスの実状把握、取引先のコンプライアンス推進への関与のいずれも、実施企業は約半数
    ◇取引先から見た自社のコンプライアンスの実状把握としては、「取引先を対象としたコンプライアンス相談・通報窓口の設置」がもっとも導入されているが、有用性には限界があり、導入企業も全体の1/3程度
    ◇取引先のコンプライアンス推進への関与では、「セルフチェック」「ヒアリング」「情報交換」などが挙がっているものの、いずれも導入率は低い
    ◇サプライチェーン全体のリスクを見据えたガバナンス強化が、今後の重要な課題となる
調査概要
調査名称
コンプライアンスの取り組み に関するアンケート調査
調査方法
WEBアンケートシステムおよび郵送による配布・回収
調査対象
上場企業及び、未上場企業(300名以上)を中心とする約4,000社
調査期間
2024年12月~2025年2月末
回収数
334社(回収率8.4%)
企画・実施
株式会社日本能率協会総合研究所(JMAR)

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