2022.02.18
「ダイバーシティ・マネジメント」という言葉は、あらゆる企業で実践途上ですが、
言葉自体はすっかり定着しました。
少し前になりますが、「“個人のIQの高さ”と“集団の知”の間の関係性はほとんど無く、
女性を含むグループの方が“集団の知”が高い」という研究が発表されました。
(Anita,W.,& Thomas,M.(2011) Defend Your Research: What Makes a Team Smarter?
More Women, Harvard Business Review)
女性の皆さん喜びましょう!というわけではなくて、この研究結果は、改めて
「集団の多様性」が重要であることの指摘だと思います。
もちろん、集団にはまとまりが不可欠ですが、凝集性が高すぎると、時には危険な
判断を下したり、合理的でない決定をすることがあります。これを“集団浅慮”と言い、
集団が個人よりも劣った決定をしてしまうことを指す現象です。
会議で議論を重ねたはずなのに、ある意見への対案が出ずにイマイチな結論に
至ってしまうこと、どの職場でも経験があるのではないでしょうか。
こうした状態を回避するためには、
(1)リーダーは異なる意見を受け入れる風土を作る
(2)リーダーは最初から自分の立場や意見を述べない
(3)複数の集団で同じ課題の意志決定をさせる
などの対処法があります。
ここで、(1)に加えて、そもそも「多様な意見を生み出せるメンバー構成に
なっているか」が重要で、その上で多様性を受け入れる風土の醸成が必要です。
様々な立場や視点を持つメンバーで構成されている方があなたの組織の“集団の知”が
高くなるのであれば、そうしない手はないですよね。
あなたの組織は多様性を受け入れる風土がありますか?
ぜひ組織の状態を診断してみましょう!
(櫻木 亜季子)
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