
2025.11.05

企業が自社の社員、そしてお客様をはじめとするステークホルダーからの信頼を得て安定的に経営を続けていくためには、「コンプライアンス」と「ガバナンス」への注力が不可欠です。
そこで今回は、これまで6,200社以上の企業でコンプライアンス意識調査を実施してきたJMARが、混同されることが多いコンプライアンスとガバナンスという言葉の意味の違いについて、これらが重視される背景や向上させる方法、向上によるメリットと一緒に説明していきます。
コンプライアンスとガバナンスの違いを確認したい、または自社のコンプライアンスやガバナンスに不安点、懸念点があるという企業のご担当者様は、ぜひ参考としてご覧ください。
それでは早速、コンプライアンスとガバナンスという2つの言葉の意味・定義の違いについて、ビジネスシーンにおける使い方の違いも踏まえながら、確認していきましょう。
まず、コンプライアンス(Compliance)という英単語は、追従や従うことなどの意味で使用されます。ビジネスシーンにおいては「法令遵守」という意味で使われますが、実際には国が制定した法律や政令、自治体が発する条例などといった法令だけではなく、「社会通念上、企業として遵守することが求められる以下のような分野のルールを遵守すること」と解釈されます。
つまりコンプライアンスとは、法律として定められているかどうかに関係なく企業、及びそこで働く従業員が遵守するべきルール全般、またこれらを守ることそのものだと言えるでしょう。
対してガバナンス(Governance)とは、支配や管理、統治という意味で使われる英単語です。
ビジネスシーンにおいては、従業員や顧客、取引先企業、株主、投資家、そして社会全体といった企業(自社)と関わるすべてのステークホルダーと信頼関係を築き、安定した経営を続けていくための管理体制、統治体制という意味で使われます。
なおガバナンスは、「コーポレートガバナンス」という言葉で表現されることも多いです。企業によって使い方が異なる場合もありますので、この点も併せてご留意ください。
ここまでに見てきたコンプライアンスとガバナンスの意味の違いについて、以下の一覧表にまとめました。2つの言葉の定義の違いを確認したい時は、ぜひ参考としてご覧ください。
| 「コンプライアンス」とは | ・一般的に「企業が法令や社会的なルール全般を守ること」という意味で使われる言葉 ・ビジネス用語としては法令遵守と訳されることが多いが、遵守するべき対象が法令だけに限定されていないのが特徴 |
|---|---|
| 「ガバナンス」とは | ・一般的に「企業がステークホルダーの利益を守り、安定的な経営を続けるための管理体制」という意味で使われる言葉 ・企業によっては「コーポレートガバナンス」とも表現される |

コンプライアンスとガバナンスは言葉の意味こそ違いますが、コンプライアンスを徹底するにはガバナンスを構築、及び強化することが有効であるため、両者は密接にかかわっています。
そこでここからは、会社経営においてコンプライアンスとガバナンスの向上が注目されている背景や、これらを改善していくことの重要性について、確認していきましょう。
企業がコンプライアンスとガバナンスの向上に注力するべきとされる具体的な理由としては、大まかに以下の3つが挙げられます。
ハラスメントや情報の漏洩、粉飾決算など、一部のコンプライアンス違反は法を犯すことと直結しているため、発生すると経営陣や会社全体に何らかの法的責任が問われる可能性があります。
そのため、罰金や行政処分、訴訟といった法的なリスクを回避するという意味でも、会社全体としてコンプライアンスの徹底やガバナンス向上に取り組むことが重要になってくるのです。
先ほども少し述べたように、企業にはステークホルダーに対して責任ある行動を取ること、社会に対する責任を果たすことが求められます。これを「企業の社会的責任(CSR)」と言います。
また近年、投資家や株主の間でキャッシュフローなどの財務情報だけでなく、人的資本状況や環境・社会問題への取り組み、ガバナンスなどの非財務情報もチェックした上で投資するESG投資への関心が高まっており、以下のような項目が投資先を判断する基準となってきています。
つまり2025年現在において、コンプライアンスとガバナンスは取引先や投資先を選ぶ上で非常に重要な条件の一つとなっているのです。新たな取引先との契約を結ぶ際の条件として「コンプライアンスとガバナンスの体制があること」を含めるという企業も、決して少なくありません。
コンプライアンス違反に該当するような不祥事は一瞬で企業イメージを傷つけ、これまでに積み上げてきたブランド力や企業価値、そして投資家や取引先、消費者からの信頼を失墜させるだけの破壊力を持っています。
だからこそ、企業が企業としての責任を果たし、ステークホルダーとの信頼関係を構築・維持していくためにも、コンプライアンスとガバナンスシステムの強化が重要になってくるのです。
ガバナンスが機能していない企業では、意思決定のプロセスが不透明になりやすいため、不正も発生しやすくなるとされています。また一方でインターネットの普及により、従業員による情報の漏洩や、不正利用等のコンプライアンス違反も従来より発生しやすい状況となっています。
このような状況の中で企業組織が健全性と透明性を維持し、従業員の心理的安全性を確保するには、ガバナンスの体制を見直し、自社の監視機能のレベルを上げていくのが効果的です。
会社をコンプライアンス違反から守るだけでなく、自社で働く従業員に安心して働ける環境を提供し、組織に対するエンゲージメントを高めてもらうというという視点においても、コンプライアンスとガバナンスの向上は非常に大切だと言えるでしょう。
【関連記事】
会社にとっての「エンゲージメント」とは?ビジネスシーンにおける意味・定義や高める方法を解説

企業がガバナンスを見直し、コンプライアンスを徹底することで得られる代表的なメリットとしては、大きく以下の3つが挙げられます。
社内組織でガバナンスが正しく機能し、コンプライアンスを徹底できれば、法的責任を問われたり、企業の価値・ブランド力・社会的な信用が失墜するような不祥事の発生を防止できます。
そうして健全な経営を続けていけば、顧客や取引先が持つ企業イメージも自然と高まっていくため、自社のブランド力や社会的な価値も向上していくでしょう。またこれにより、既存の従業員の定着率の向上と離職率の低減、そして採用コストの削減効果も期待できるようになります。
さらに、投資家や金融機関からの信用向上も見込めるようになるため、事業の拡大等のために資金調達をする場合の審査に通りやすくなるといったメリットも得られるでしょう。
【関連記事】
エンゲージメント経営について解説|意味や自社で実践するメリット・具体的な導入の方法とは?
企業が自社のコンプライアンス意識とガバナンスを向上させる目的は、いずれもリスク管理と共通していますが、これらを強化する上で効果的な施策の内容には違いがあります。
以下に、コンプライアンスとガバナンスを向上させる上で役立つ施策の具体例をそれぞれ4つずつ紹介していきますので、自社のコンプライアンス、及びガバナンスの体制に懸念があるという企業のご担当者様は、参考としてご覧ください。
コンプライアンスに対する従業員の「当事者意識を高める」JMARの研修カリキュラムとは?
コンプライアンス違反は、企業とそこで働く全従業員の方にとって非常に重大なリスクです。
このようなコンプライアンス・リスクを低減、解消するためには、まず自社の従業員がコンプライアンスに対してどのような意識を持ち、現状、どの程度遵守しているのかを調査した上で、コンプライアンスとガバナンスを高めるための適切な施策について検討する必要があります。
私たちJMARでは、これまでに6,200社以上の企業に「コンプライアンス意識調査」を提供。
調査のプランニングはもちろん、他社の調査結果との比較も含めた分析、また調査結果をもとにした施策や研修のご提案まで、貴社のコンプライアンス推進活動を幅広く支援いたします。
自社のコンプライアンス、及びガバナンス体制の見直しや強化のための第一歩として、まずはコンプライアンス意識調査を実施してみたいという場合は、JMARまでお気軽にご相談ください。
JMARの「コンプライアンス意識調査」活用企業様の導入事例のご紹介はこちら

コンプライアンス・リスクの回避、及び管理は、安定的な企業経営を行う上で欠かせません。
JMARでは、不正行為等によって法的リスクを冒したり、企業の信頼、価値が失墜するといったトラブルを回避するための対策の一つとして「コンプライアンス意識調査」を提供しています。
《JMARによるコンプライアンス意識調査5つの特徴》
※日本語だけでなく、さまざまな言語を用いたグローバル調査にも対応しております。
従業員に対するコンプライアンス意識調査から、企業理念を実現するためのコンプライアンス研修のご提案に至るまで、貴社のコンプライアンス推進活動にしっかりと伴走いたしますので、コンプライアンスについてお悩みのご担当者様は、ぜひJMARまでお問い合わせください!
©2024 JMA Research Institute Inc.