
2025.11.19

企業が法律や政令、条例などの法令をはじめ、その他の分野においても一般的・社会的に守ることが求められるルール全般を遵守することをコンプライアンス(法令遵守)と言います。
会社が継続的に存続・成長していくためには、各種の法令やルールを守り、コンプライアンスの徹底によって企業の社会的責任(CSR)を果たさなければなりません。それでは、自社のコンプライアンスを強化するには何に注意し、どのように施策を進めていけば良いのでしょうか。
そこで今回は、これまで6,200社以上もの企業でコンプライアンス意識調査を実施してきたJMARが、コンプライアンスを強化する方法や重要性、メリットについて解説していきます。

近年のように、会社経営においてコンプライアンスの強化が重視されるようになった背景には、社会情勢の変化があります。例えばオフィスにおいては、インターネットの普及により、従来に比べて社員による故意の不正アクセスや情報漏洩などが起こりやすい環境になってきています。
また、コンプライアンスやガバナンスの有無・レベルが取引先、投資先、契約先を選ぶ際の重要な基準の一つとなってきていることから、従業員や顧客をはじめとするステークホルダーと信頼関係を構築する上で、コンプライアンスの強化が不可欠な要素となってきているのです。
経営的な観点はもちろん、少子高齢化が進む中で優秀な人材を確保するという人事戦略的な観点においても、コンプライアンスの強化に向けた取り組みには非常に重要な意味があるのです。
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企業が企業活動を行う上で、非常に重要な意味を持つコンプライアンスですが、もし、コンプライアンス違反に該当するような不正行為や不祥事が発生した場合は、どうなるのでしょうか。
コンプライアンス違反によって起こり得るリスクとしては、以下のようなことが挙げられます。
コンプライアンス違反が発生、発覚した場合の企業へのダメージは、非常に深刻です。最悪の場合、企業活動を続けていくのが困難になる可能性もありますので、コンプライアンス強化の必要性と併せてご認識ください。
対して、コンプライアンスを強化することで企業が得られるメリットとしては、主に以下の3点が挙げられます。
コンプライアンスを強化し、健全な状態で長く経営を続けることができれば、市場における自社の価値や評価、ブランド力も自然と上昇していきます。すると、ステークホルダーとも良好な関係を保つことができるようになるため、経営状態の改善及び安定化につながります。
コンプライアンスへの意識が高い会社では、組織における監視機能の健全性が高くなります。
またコンプライアンス違反がなく、企業価値が高い状態が続くと、金融機関や投資家からの信用も向上するため、融資の審査に通りやすくなります。そのため、コンプライアンスを強化している企業は、そうでない企業に比べて、健全な経営と成長を続けられる可能性が高いでしょう。
コンプライアンスが徹底された企業では、組織内における透明性や健全性が高まることから、従業員の心理的安全性やエンゲージメント、定着率の向上もしやすくなるとされています。
また企業全体のイメージが良好だと、採用活動の際に優秀な人材が集まりやすくなるため、人手不足の解消や採用コスト削減という意味でもコンプライアンス強化が役立つと言えるでしょう。
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ここからは、企業向けのコンプライアンス意識調査、そしてその結果をもとにしたコンプライアンス研修のご提案といった伴走支援を提供しているJMARが、企業がコンプライアンスを強化し、個々の従業員にコンプライアンスへの意識を高めてもらうための方法を紹介していきます。
コンプライアンスを強化するには、まず自社におけるコンプライアンスの遵守状況を知り、その上で現状を改善するための対策を講じて、さらにその効果を検証し、改善した施策を実行するというPDCAサイクルを回していく必要があります。
コンプライアンスの強化を目指すなら、はじめに調査の実施・施策の実行・評価(再調査)・施策の改善と実行というサイクルを回すための仕組み作りに取り組みましょう。
コンプライアンス調査では、企業全体だけでなく、部署など組織別の結果も取得できます。
組織別のコンプライアンスアンケートの結果を受け取ったら、各組織単位での改善策の検討と次回の調査までの改善目標、そして目標の達成に向けた取り組みを策定・推進しましょう。
率先垂範とは、率先して模範となること・模範を示すという意味の言葉です。自社のコンプライアンスを強化したいなら、まずは経営者、及び経営陣が会社としてコンプライアンスを重要視するという考え方を全社員に向けて積極的に、かつ強調して発信し続けるようにしてください。
匿名でも安心して相談・通報ができるように、内部通報制度を整備するのもおすすめです。
社内、または会社の外部に相談や通報のための窓口を設置するなどして、各従業員が見聞きした「コンプライアンス違反の疑いがある事象」について報告できる仕組みを作れば、組織の内部において監視機能が適切に働きやすくなるでしょう。
すべての従業員が、自社においてどのようなことがコンプライアンス違反に当たるのかということを理解していなければ、会社のコンプライアンスを強化するのは難しいと考えられます。
そのため、自社におけるコンプライアンス違反の基準や、社員として守るべき基本ルールについて明文化し、「コンプライアンス規定」や「倫理規範」として定期的にまとめ、全社員に配布・情報を周知するのもコンプライアンス強化に効果的です。
一人ひとりの社員の意識が変わらなければ、会社としてのコンプライアンスを強化することはできません。
新入社員、管理職、役員などの階層別にセミナー内容を設定し、継続的にコンプライアンスについて学ぶ機会を提供して、社員のコンプライアンス意識を定期的にアップデートしましょう。
コンプライアンスに対する従業員の「当事者意識を高める」JMARの研修カリキュラムとは?
なお、上記の施策を行うための準備として、また施策の実行後、効果測定と施策改善のPDCAサイクルを回すための根拠として、定期的にコンプライアンス調査を実施する必要があります。
私たちJMARでは、体系的かつ相対的なコンプライアンス意識調査を提供しておりますので、外部機関に委託して調査を実施することを検討しているという場合は、ぜひ一度、お気軽にJMARにもご相談ください。
JMARの「コンプライアンス意識調査」活用企業様の導入事例のご紹介はこちら
企業が組織のコンプライアンスを強化する際には、以下のようなトラブルが起こりがちです。
特に起こりやすいのが、コンプライアンス強化のための施策が調査の実施後や不祥事が起きた直後数か月ほどの一過性のキャンペーンで終わってしまうこと、そして現場の実態を把握していない経営者からのコンプライアンス強化のメッセージがかえって社員を混乱させ、組織の健全性を低下させてしまうという事態です。
コンプライアンスの強化は、マニュアルや規定を整備するだけの形骸化した施策や、従業員に対して一時的に教育や情報周知の機会を提供するだけでは、達成することができません。
人の意識は長期間かけて継続的に教育、フォローアップしていかないと、なかなか変えることができないのです。
企業が自社のコンプライアンス強化を成功させるためのポイントとしては、まずPDCAサイクルを回し、継続的にコンプライアンスの強化に取り組む必要があると知ることが挙げられます。
そして、コンプライアンス強化を主導する立場である経営者・経営陣が、負の側面も含めてきちんと現場の状況を把握し、実態に即した施策を設計・実行することが大切だと心に留めておきましょう。
【参考】
研究員のコラム:コンプライアンス – 日本能率協会総合研究所 マネジメント&マーケティング研究事業本部

コンプライアンス・リスクの回避、及び管理は、安定的な企業経営を行う上で欠かせません。
JMARでは、不正行為等によって法的リスクを冒したり、企業の信頼、価値が失墜するといったトラブルを回避するための対策の一つとして「コンプライアンス意識調査」を提供しています。
《JMARによるコンプライアンス意識調査5つの特徴》
※日本語だけでなく、さまざまな言語を用いたグローバル調査にも対応しております。
従業員に対するコンプライアンス意識調査から、企業理念を実現するためのコンプライアンス研修のご提案に至るまで、貴社のコンプライアンス推進活動にしっかりと伴走いたしますので、コンプライアンスについてお悩みのご担当者様は、ぜひJMARまでお問い合わせください!
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