上場企業「従業員の品質意識」についてのアンケートを実施 止まらない品質不正の5つの背景が判明
現場従業員の1/2が勤務先で品質問題を体験、1/4が今後の発生を懸念

2023.07.28

株式会社日本能率協会総合研究所(JMAR、代表取締役社長:譲原 正昭)では、多発する品質不正の要因の一つと考えられる従業員の品質意識に注目し、その実態を明らかにすることを目的に、「従業員の品質意識」アンケート調査を行いました。

「従業員の品質意識」アンケート調査

※「無料レポート」のご説明の録画視聴となります。
 後日、メールで視聴用URLをお送りします。

調査結果のポイント
  1. 生産・製造や開発現場の従業員の約3割が、日本企業の品質とその国際競争力は「低下」と認識
    日本企業の品質を現場から支える層から見て、品質維持は難しくなりつつある
  2. 生産・製造や開発現場の従業員の1/2が、最近5年間に自身の勤務先で品質問題を体験
  3. 実際に品質問題が生じた場合に、現場での報告は品質保証部門責任者の認識ほど迅速に行われていない
  4. 生産・製造や開発現場の従業員の1/4が、自身の勤務先における今後の品質問題の発生を懸念
    特に勤務先で品質問題がある場合は顕著で、一度問題を起こすと繰り返すことを懸念
  5. 生産・製造や開発現場の従業員の7割が品質を重視
    しかし、職場の品質意識はあまり変わらず、「向上している」という品質部門責任者の認識とは顕著に異なる
調査結果についてのコメント

上場企業で品質を支える生産・製造や開発現場で働く従業員を対象に調査を行ったところ、身近で品質問題が起きている方も多く、今後の問題発生への懸念も見られました。勤務先で品質問題が起きた場合は、再度繰り返すことが懸念されており、現場での徹底した改善が感じられない結果となっていました。こうした状況下で、現場の品質意識も上がっておらず、多発する品質問題が減る要素は見出せませんでした。

当社では、2022年に上場企業の品質保証部門責任者を対象に調査を行いましたが、そこでは多くの企業が従業員の品質意識の重要性を認識しつつも、取り組みは十分でない状況が見られました。
「ESG時代の日本企業における品質意識とマネジメント」アンケート調査

これを今回の調査と比較すると、問題発生時の報告状況や品質意識の状況など、品質保証部門責任者が現場の従業員の認識よりも格段に良い状況だと捉えていることがわかりました。つまり、品質保証部門責任者に現場の状況が十分に伝わっておらず、適切な施策が出来ていない状況と考えられます。

今回の発表を通じて多くの企業の現状認識が進んで、より自社に適した取り組みが増え、日本企業の品質問題低減と品質向上に繋がれば幸いです。

調査概要
調査名称
「従業員の品質意識」アンケート調査
調査対象
製造業の上場企業の生産・製造部門または開発部門に勤務する係長、一般社員
調査期間
2023年6月22日~6月23日
調査方法
インターネット調査
企画・実施
株式会社日本能率協会総合研究所(JMAR)
調査結果
1.生産・製造や開発現場の従業員の約3割が、日本企業の品質とその国際競争力は「低下」と認識
日本企業の品質を現場から支える層から見て、品質維持は難しくなりつつある

最近5年間の変化

2.生産・製造や開発現場の従業員の1/2が、最近5年間に自身の勤務先で品質問題を体験

最近5年間の品質問題の発生

3.実際に品質問題が生じた場合に、現場での報告は品質保証部門責任者の認識ほど迅速に行われていない

品質問題の報告

4.生産・製造や開発現場の従業員の1/4が、自身の勤務先における今後の品質問題の発生を懸念
特に勤務先で品質問題がある場合は顕著で、一度問題を起こすと繰り返すことを懸念

今後の品質問題発生の懸念

5.生産・製造や開発現場の従業員の7割が品質を重視
しかし、職場の品質意識はあまり変わらず、「向上している」という品質部門責任者の認識とは顕著に異なる

品質の維持・向上の重要性

職場の品質意識の変化

従業員の品質意識の変化

「従業員の品質意識」アンケート調査

※「無料レポート」のご説明の録画視聴となります。
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